航路は順調か ~「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」2011年05月25日 23時35分31秒


「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」についてのこと。

「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズは、
第一作目「呪われた海賊たち」
第二作目「デッドマンズ・チェスト」
第三作目「ワールド・エンド」
にて一旦は完結を見たはずですが、ジョニー・デップの続投により、
シリーズは継続が決定され、あと二本契約しているとか。

型破りで変人で個性的なジャック・スパロウ船長が魅力であり、
あの人物ならば生きている限り波乱な人生を歩むだろう、いや、
トラブルの方から嗅ぎつけてやってくるだろうと思うので、
物語がまだまだ続くことについては大して違和感はありません。

今回はスパロウ役ジョニー・デップとその部下?たち、
バルボッサ役ジェフリー・ラッシュなどが続投。
区切りのついたオーランド・ブルームやキーラ・ナイトレイ嬢は登場せず。
代わって、ジャックの元恋人役ペネロベ・クルス、
宿敵?最強の海賊・黒髭役でイアン・マックシェーンが登場。

シリーズが延命されたものか予定されたものかに関わらず、
4作目となると一部キャストを除き総入れ替えになることは過去しばしば。
そして新しい面子に観客がどうも違和感を感じて馴染めず、
シリーズは右下がりに収束・・・ということもしばしば。

それだけに今回は既に評価された地位にいる俳優や、
期待されるフレッシュな面々を揃えての布陣だと思います。

なかでも人魚に恋するフィリップ神父役のサム・クラフリンが、
これまたオーラを放っており、今後注目のイケメンさんだと思いますな。
肉体美も披露してしまって、んまあピッチピチですわね。って変態か!
でもしばらく注目しておいていいかと思います。


さて、今回のジャックのお宝は永遠の命をもたらす「生命の泉」。
小さな島の神秘の泉より湧き出る水を、人魚の涙を混ぜて
聖杯で飲まないと、飲んだら永遠どころか消滅してしまうらしい。

聖杯、というと僕などは「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」に登場する、
幾つかある杯のなかから本物の聖杯を選び取る場面を思い出し、
煌びやかな杯で飲んだ敵は骸骨になって消滅してしまい、
インディ先生が選んだのは、なんの飾りも無い小汚い杯であり、
それこそが本物の聖杯だったという、教訓的寓話のイメージがあります。

本作は生命の泉を巡る、ジャック、黒髭、英国王側についたバルボッサ、
そしてスペイン軍が入り乱れての乱戦を繰広げていきます。
なんとも大きなスケールで繰広げられるような舞台ですが、
「ワールド・エンド」の方がより大きく感じられたのは、
それがシリーズ完結の大団円を迎える作品だったことと、
今回が新たなるシリーズの序章であるという温度差の違いでしょうか。

当然と言えば当然ですが、あまりそのあたりの温度は表に出ないほうが良い。
シリーズ延命がその後ふるわない場合があるのはそれもあると思います。
シリーズ途中だろうとも仕切り直しだろうとも、常に全力投球。
助走だからと力を抜いてはいけません。待ってもくれません。

振り返れば、ジョニー・デップのジャック・スパロウが肝だと思った、
前シリーズであっても、オーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイとの
姫とナイトの関係があり、その横でジョニー・デップがこちゃこちゃ動く、
そのバランスが良かったのかもしれないと思い返すこともあります。
ジャックは中心であるようで、中心から外れていたのか?

ジャックの役どころはムード&ギャグメーカーばかりではないものの、
笑いを取るのは笑いばかりが目立っては難しいこともある。
笑いを受ける役がいなければ、笑いを取るほどに笑えなくなることもある。
バルボッサや黒髭はその役ではないように思えます。
そして注目とはいえまだ若いフィリップ達には荷が重い。

何か課題はあるように思えますが、このシリーズにはまだまだ期待したいです。
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