私とスパロボ ~WS「スーパーロボット大戦COMPACT」2011年06月15日 23時04分50秒

既に様々なプラットフォームにおいて繰広げられるスパロボですが、
PSにおける「スーパーロボット大戦F」が完結したその月、
新たなるハードでの戦いの火蓋が切って落とされました。
それがWSの「スーパーロボット大戦COMPACT」でした。

「ワンダースワン(WS)」というと既に現役を引退した携帯ハードですが、
この当時は相応の期待を背負った次世代携帯機でした。
モノクロとはいえ安価でお手頃感のあったこのハードでもいち早く
スパロボが発売されたのは一重にバンダイのハードという関係でしょう。



<参戦作品>
機動戦士ガンダム
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
機動戦士Ζガンダム
機動戦士ガンダムΖΖ
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
機動戦士ガンダムF91
新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
マジンガーZ
グレートマジンガー
ゲッターロボ
ゲッターロボG
真ゲッターロボ(原作漫画版)
無敵鋼人ダイターン3
勇者ライディーン
聖戦士ダンバイン
重戦機エルガイム
闘将ダイモス
超獣機神ダンクーガ

参戦作品のラインナップは新規参戦はなく、またオリジナル作品がないという点が
いかにもコンパクトな印象がありますが、この作品はいろいろと遊びの多い作品でした。

印象強く残っているのはBGM関連の特徴で、
それまで「THE WINNER」だったガンダム0083に「MEN OF DESTINY」を持ってきたこと、
ダンクーガには「バーニング・ラヴ」に代わり「愛よファラウェイ」を選曲。
僕の好きな曲だったということもありますが、WSで聞くこれらの曲は
選ばれたことも嬉しく、なかなか味わい深い思いだったものです。

また、ダイモスのリヒテルとアイザム、ZZのクィン・マンサと逆襲のシャアのα・アジール
など、仲間になるキャラクターと入手ユニットにも当時としては特異なものでした。

僅かに33話しかないなかでこの原作数のそれぞれのストーリーを消化しようとするから
(相変わらずもダイナミック系の敵は深く描かれなかったが)駆け足だったけれども、
それもまたコンパクトに手軽に楽しむ携帯機ならでは、とすんなり受容れたと思います。

他にも、戦闘シーンのカット機能はまだなかったものの、
読み込みロード時間が発生するのが当たり前になっていたこのシリーズに、
最大の肝である戦闘シーンを、久々に「早い!」と感じさせてくれたことも喜びでした。

この作品は発売直後に10万本は売れていたと思うし、
そのときのWSの売上台数は40万台だったと記憶しています。
ハード所有者の25%が買ったソフトというのも誇れる数字ではないでしょうか。

単発かと思ったWSのスパロボシリーズは案外に力を入れられ、
ハードの終末期にも新作を送り出すことになるのでした。

私とスパロボ ~PS版「スーパーロボット大戦F」への道2011年06月14日 23時51分27秒

多大なる期待を背負って送り出され、一定の評価を獲得した大作、
「スーパーロボット大戦F」でしたが、難点は開発が長期に渡り過ぎたこと。

発表当時、「スーパーロボット大戦」は有利とされたSSに移ったことで、
今後もSSに重点を置いていくという見方もありましたが、
SS「F-完結編」の発売年1998年はPSとSSの勝負は既に決着が見えていた。
Wikipediaによれば、1998年にはSS発売タイトルは215本あったのが、
しかし翌年1999年は17本と大幅に下落、魅力的なソフトはあったものの、
DCも発売する1998年、SSの引退は皆に見えていました。

果たして「F」をPSで送り出していたらどうなっていたのか?
それは「if」ですが、1998年の夏頃、SS「F-完結編」がクリアされて少しの頃、
PS版「F」が出るらしい・・・という噂が流れていました。
僕は夏コミのフリーペーパーでこの情報を始めて読みました。
いやいや、まさかね。発売したばかりですよ?ねえ。

と、思ったのも束の間、夏の終わりにはそれが実際に発表されたのです。
そのときのまたまた複雑な想いと言ったら。

SSより売れているPSで出せばもっと売れる、と思ったかは想像の域ですが、
ただ、「第4次」を大幅再構築した「F」とは違って、
SS版「F」からPS版「F」は、ウィンドウデザインや細部の仕様変更はあったものの、
基本的な見た目は「ほぼそのままの内容」という移植でした。
PS版「F」の発売に際して撃たれた数々のオマケは不安要素のカバーかもしれません。


まず、PS版「F」「F-完結編」の発売前に、その時点での過去作品の
設定資料集となる「全スーパーロボット大戦電視大百科」が発売。
過去作品の概要、用語辞典、ロボットとキャラクターの解説等々を
2枚組みディスクに纏めたものですが、今振り返れば僕自身はディスク2の
「スーパーロボット大戦F」のPVを再生するだけでほぼ満足していたと思います。

そして、このデータディスクとPS版「F」「F-完結編」を三つ買うと、
「復刻版超合金マジンガーZ」が必ずもらえるキャンペーンを発表。
もらえるのは良いけれども、ゲーム内容はほぼ一緒か・・・。


僕も悩んだものの、結局のせられて全て購入したのはご覧の通り。
しかし、その「復刻版超合金マジンガーZ」の中でも限定された人だけが応募できる
「復刻版超合金マジンガーZ」ブラックバージョンに当たったのは僥倖と言いましょうか。



確かこれは、応募用紙自体がブラックバージョン応募用になっており、
それを掴んだ時点でブラックがもらえることは確定していた様に思います。
これがその超合金の箱。昔のものを忠実に再現した復刻版です。

PSP本体とのサイズ比較。かなり小さいのが分かります。


大車輪ロケットパンチ風。

ロケットパンチはアイアンカッターに換装可能。

ミサイルはブレストファイアー?用に使用します。


もうひとつ、PS版「F」の予約に際して、
全ての店舗で行われたかは定かではありませんが、
僕が予約購入したお店ではこのCDが特典としてもらえました。

五十嵐寿也さんが唄う、「第4次」および「第4次S」のテレビCMで使用された、
「出撃!スーパーロボット大戦」のリミックスフルコーラスバージョンを収録。
加えて、神谷明さんと矢尾一樹さん出演のミニドラマも収録。

非売品でもあり、CMソングのフルバージョンはこれだけだったのでこれは嬉しかった。

1998年10月29日「全スーパーロボット大戦電視大百科」発売
1998年12月10日「スーパーロボット大戦F」PS版発売
1999年4月15日 「スーパーロボット大戦F-完結編」PS版発売

数々の試みも、SSを上回る売上本数を残すには至りませんでしたが、
PSでの地盤固めはこのときにできたとも思われます。
そしてここから、来るべき「α」シリーズ始動までの間、
スパロボシリーズは数々の模索を続けて行くのでありました。

私とスパロボ ~SS「スーパーロボット大戦F 完結編」2011年06月10日 23時20分07秒

セガサターンソフト「スーパーロボット大戦F」。
1997年9月25日に発売。

当時、シリーズ最高傑作の期待を寄せられその発売を待望された作品は、
発売直前になって、ファンを悶絶させることになります。

「どうやら、容量が入りきらないので二本に分かれるらしいぞ。」
最初はそんな噂レベルの話だったような気がします。

そして、雑誌紙面上の「スーパーロボット大戦F 完結編」の発表を見て、
その内容を読んだときの僕らの複雑な想いと言ったら。

真・ゲッター、νガンダムやZZガンダム等々の後継機体や、
ガンバスターやイデオンなどの新規参戦作品の強力機体が、
軒並み完結編までおあずけ状態となり、もちろんストーリーは完結せず。
そして、完結編は「今冬発売予定」とだけの発表。
期待、よりも「そんな殺生な」という想いが勝ったのは僕だけではありますまい。

加えて「F」をプレイしたときの印象は、結構長いわりに、
強力ユニットが少なめでフラストレーションが溜まったことも事実。

ああ、早く発売してくれ、頼むから。
そう毎週毎週ゲーム雑誌を祈るように読んでいました。

前例はいろいろあるのかもしれませんが、1本ではできないから2本にした、
というのは僕の人生では始めての経験だったと思います。
クエンティン・タランティーノの「キル・ビル」よりもずっと前です。

「今冬」と言われれば、誰もが来年の2月までだろうと考えるはず。
しかし、最終的に決定した発売日は、1998年4月23日でした。
作品自体も長い戦いだったけれども、待つのも長い戦いだった・・・。


「F」の予約特典にて神谷明さんや石川賢さんのインタビューが収録される様に、
スパロボもこの頃になると、原作に纏わる人々や声優さんと直接関わることにより、
ゲームとは別の流れを作り出すようになっていきます。

水木一郎アニキがゲーム誌に登場してきたのもこの頃だったと思いますし、
「ガンダムW」の頃からの声優ブームもまた絡み合ってきて、
スパロボ関連のガチャガチャやゲーセンプライズ商品も展開を始めた頃。
現在のスパロボワールドの第二の創世が始まりつつあったと思います。

そんななかから生まれたもののひとつがこのシングルCD。
んま、懐かしい形。マキシシングルじゃないですよ。
水木一郎兄貴が吼える、「スーパーロボット大戦F」イメージソング、
「熱き血が勇気に ~ロボットジェネレーション賛歌~」と、
このとき初登場したマジンカイザーのテーマソング「マジンカイザー」!

惜しくもゲーム中では流れませんでしたが、この歌にこめられた熱き魂は、
先行する「熱風!疾風!サイバスター」や「TIME TO COME」と一味違った、
力強き鋼鉄の魂、として耳に焼きついたのでした。
(その後、あまり目立たない様な気もしますが。復活を是非!)


もうひとつ、僕らのなかで気がかりだったのは「F」というのが「ファイナル」
という意味なのではないか?つまり、スパロボシリーズもこれで最後なのか?
と推測する向きもあったことです。

この当時と現在のシリーズの発展は比較になりませんが、当時はこの「F」が、
全てを結集したような超集大成作品の様に扱われたものですし、
また、5作も6作も続いたら普通はシリーズは終わるもの、
と通例の様に考えられていたものでした。
その心配はもはやなんだったのだろうというぐらい多くの作品が生まれました。

この「F」および「F完結編」の後、シリーズはしばらくの充電期間に入ります。
移植・リメイク、新規プラットフォームでの展開等々、
それはまた、次回のお話で。
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