失われた燃料を求めて2011年03月26日 23時19分47秒

震災より2週間経って来た現在。
仕事上であったりテレビだったり、被害のほとんどなかったところから
空気が読めていない声が聞こえてくると、うちの父などが憤ることがあります。

しかし、僕自身振り返っても、阪神大震災のときにはやはり
こちらの被害はなかったために部外者の意識でいましたから、
無理もないことなのかもしれません。
そのほかの大きな地震のときもそうでした。
今ではあのときを思うと申し訳ない気持ちです。

空気が読めないと言えば、
ヨドバシカメラ仙台店が通常営業していますが、
営業再開当日に乾電池を買いに行ったら、
「ポイントはお使いになりますか?」といつも通りに言われ、
なんとも言えないズッコケた感がありました。

(今、この状況でもそんなことを言うのか?)

と、喉まで出かかったのを飲み込んだ上に舌打ちまでしかけましたが
「いいえ」と短く言うに留めました。無駄にエネルギーも使えません。


無駄に使えないと言えば、宮城県で一番必要なもの。
住宅、食糧、医薬品、人、まだまだありますが、
すべからく必要なのはガソリンではないでしょうか。

これが無いと車は動かせない。
車が動かせないと、食糧の調達にも制限がかかり、
職場に出勤するにも支障をきたしており、
何より体は動ける人達が、苦しんでいる人達を助けに行けない。

役所は今週末から来週には安定すると見込んでいるものの、
どうもそれが2~3日づつずれて行っている様に思えます。

大体、県内の車の90%ぐらいはガソリン枯渇状態ではないかと。
タンカーが1隻2隻入港したところで肝心のスタンドでは、
スタッフが確保できるかどうか怪しく、本当に迅速に行き渡るのでしょうか。

給水所の他に、"給油所"が必要だと思いますよ。マジで。
難しいことはあるかと思いますが、
やれないやれないという頭ではなく、
どうしたら何をやれるか、という頭でいなければ、
というのはうちの上司の受け売りですが。

開いているスタンドの付近はほとんどこんな状態。
団地ひとつを丸ごと囲んでしまうくらいの長蛇の列。
しかしこれが乗っていない車もあるんですなあ。
車を止めて帰宅してまた翌朝来るというパターン。
僕はそれはいかがなものかと思いますけどね。
花見の場所取りのつもりですかな。

別の郊外のスタンドでは6時間粘っても駄目。
せっかくクッションや毛布も持ち込んだというのに。

と、いうところで先日、
岩切の利府バイパス沿いのコスモ石油で入れられました!
よかったー!ガソリンを入れることが渇いた喉に水が染み渡る様です。

ちなみにこのスタンドは交通整理も合わせて、
10人以上はスタッフがいたように思えます。
それくらいしっかりやらないといけませんね。

ときどき、行列している車が何台もあるのに一向に開かず、
スタンドにスタッフもいるのに「今日は営業できませんよ」と、
聞かれないと言わないで掃除点検ばかりしているという、
イタダケナイところがありますな。ちゃんと見られてるんだから。


これで会社通勤用としての車は少し生きながらえましたが、
もう一台、町内会の仕事などに両親が使う車はもう虫の息。
明日明後日はなんとしても給油したいところです。


今日の言葉。
似たような台詞は他にもいろいろありますが、
最近は2005年の映画「バットマンビギンズ」のものが印象深い、
「何故落ちたのか」「這い上がるためさ」という台詞があります。

バットマン(=ブルース)が幼少期に枯れ井戸に落ちたとき、
彼の家の執事がブルースの父に、何故落ちたのか理由を聞き、
それに対して、父が返した言葉が後者の台詞です。

洒落ているだけではなく、映画の中のブルースの人生もまさに
墜落し葛藤し悩み彷徨った果てにバットマン誕生に至ります。
失敗もまた必要なことだったという運命論にも思えますが、
いまを受け止めた後は成すべきことを成せと見据えている様にも思えます。

そんな映画の中の台詞ですが、被災地の人々が
今はマイナスだけども、これから頑張れば上っていけると
テレビで言ってるのを目に耳にしています。

映画の中だけでは終わりません。
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