甘味無用 ~ 「エクスペンダブルズ」2010年10月28日 23時40分15秒

シルヴェスター・スタローンが音頭を取り、
アクションスターが集結した映画「エクスペンダブルズ」についてのこと。

■「エクスペンダブルズ」公式サイト
 http://www.expendables.jp/
(↑なかなか洒落の利いた演出があります。)

その壮大なる野望を聞いたとき、人は興奮と心配の両方を感じたと思います。
オールスターキャストということ自体は珍しくはありません。
成功例も「オーシャンズ」シリーズなどがあげられるはずですが、
それが本格アクションであり、主要全員にアクションの見せ場となると話は別。
アクション映画は基本的に主役一人と適役を目立たせ、
残りは支援・サポート分野で印象を刻み厚みを持たせるのが常道。
ところが「エクスペンダブルズ」は筋肉こそ我たる所以な(?)奴らだ!
其々のアクションの見せ場をバランス取るのは大丈夫か!?

しかも、「エクスペンダブルズ」は傭兵部隊で所謂チームものなわけですが、
数あるチームものの王道は、精鋭部隊を集めて敵地に乗り込んだはいいが
予想外のトラブルに見舞われ成功率数%への計画変更を余儀なくされ、
チームが一人退場しまたひとり退場し・・・というものであります。
結局「エクスペンダブルズ」も最後はスタローンとステイサムと
ジェットしか生き残らないかもしれない・・・と心配したものです。

その心配を見事にありとあらゆる武装射撃で木っ端微塵に吹き飛ばしてくれた!
ラングレンとジェットを戦わせて二人同時の見せ場を用意するなど上手い!
最後のおまけにドルフ・ラングレンまで棺桶から引き出して全員生還。

かといって絶対無敵完全無欠常勝無敗の勝利確定というわけではない。
そろそろガタがきはじめた自分に鞭打って頑張っている設定にしてしまい、
それがなんだか彼ら演じ手自身にもダブってきて益々一体感がある。
スタローンのヨタヨタ走りもだからむしろ応援したくなるのだ。
俺達まだまだやれるどころじゃないぜ!

そうなのだ。ステイサムはまだ38歳で部隊の中で一番若いが、他は40歳以上。
スタローンは64歳、アクションは無いブルース・ウィリスは55歳、
シュワちゃんは63歳。ミッキー・ロークも58歳。
とにかく、この方々はもう世間一般では"年"なのだ。
今回、考えてたが適わなかった面々にしても、スティーブン・セガール、
カート・ラッセル、ウェズリー・スナイプス、ジャン・クロード・ヴァンダム、
そしてパンフによるとスルーされたチャック・ノリス。
何れも未だ主役を張るネームバリューを誇るものの"オッサン"なのです。

スタローンの目論見が、アクションスターを勢揃いさせたい!というものだから
スターになるには自ずとキャリアを積んだ、ということになりで年齢は上がりますが、
若くてピチピチ、もとい筋肉テカテカな30歳前後、20代のガイはいないのか?
70年代から80年代そして90年代アクションを走り抜けた世代は興奮するが、
若手アクションスターが不在・・・と言われて久しい時代もまた感じられるのだ。

若い役者連中にこれを見せてアクションスターに引きずり込むのだ。
「アクション映画やヒーロー映画でイメージが定着するのがイヤだ」
などと甘っちょろい発言を繰り返しちゃうモヤシ君にも見せ付けるのだ。

「エクスペンタブルズ」に入れてみたいスターは誰だ?
やはりジャッキー・チェンか。意外にまだ56歳なのだ。
でもクリス・タッカーがついて来てもそれはまた困る。
忘れてた、サミュエル・L・ジャクソン御大。相手はもちろん蛇ね。
というところで、調子に乗って忘れてはならない。


「アクション映画に出たスター」ではなく基本は「自分の肉体で戦えるスター」
であることが僕らを納得させる条件であるはずなのだ。
CGとワイヤーでアクションが出来る風を装うではいけないのだ。
さてでは、トム・クルーズに出てもらいたいだろうか?
「エクスペンタブルズ」のさらなる条件、甘いマスクは一切必要ない!


どうやら続編もあるかも?と囁かれている本作。
あの人は出るか?この人は出るか?
シュワちゃんとウィリスは今度こそアクションを見せつけてはくれまいか?
今しばらくはそうした妄想をもやもやと楽しもうではありませんか。

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