史都の我王2010年10月13日 23時36分43秒

東北歴史博物館にて10月24日まで開催されている、
「特別史跡多賀城跡調査50周年記念特別展
多賀城・大宰府と古代の都」を鑑賞してきました。


■東北歴史博物館 平成22年特別展のお知らせ
http://www.thm.pref.miyagi.jp/


この展示は、奈良・平安時期の律令国家における、
東の統治の要を多賀城、西の統治の要を大宰府として、
それらと平城・長岡・平安京の文化も包括しようと試みたとして、
多賀城にまつわる展示の現時点の集大成ということかと思います。

東北歴史博物館の特別展展示スペースはおそらく、
仙台市博物館よりも広く取られていると思われ、
途中で2回ほど小休止を取りながらじっくり見ましたが、
改めて多賀城の重要さと言いますか、深さを学べたと思います。


まあ、僕などはそんなに高尚な話はできないのですが、
今回の肝は「瓦」でしょうか。
このポスターにある鬼瓦の他に、もっと原型を留めている鬼瓦がありますが、
やはり僕はこの大きく欠けた鬼瓦に惹かれます。また、いい具合に欠けている。
それは学術的にどうではなく、完全にビジュアルとしてです。
欠けて修繕したからこそ美しい茶碗というのが「美味しんぼ」でありましたが、
これも「美の壷」の世界ですね。


と、漫画の方向に走り始めたならば、僕の鬼瓦に纏わる思い出といえば、
手塚治虫の「火の鳥/鳳凰編」で我王と茜丸が彫った鬼瓦ですね。
鬼瓦を知ったのがこの作品だと思います。小学校中学年だったと思いますけど。
朝廷による彫り物対決で我王が彫った鬼瓦の禍々しい妖気は、
漫画の紙面から滲み出て当時の自分を恐れさせたと言っても過言ではありません。
以来、鬼瓦というとまず、我王と一直線に結ばれます。

まあ、ファミコンソフトの「火の鳥」では鬼瓦が想像もつかないような
扱われ方をしていたんですけどね。僕は20回くらいクリアしましたよ。

火の鳥 鳳凰編 [DVD]
火の鳥 鳳凰編 [DVD]

ちなみに、アニメ版の「火の鳥/鳳凰編」では鬼瓦がクライマックスに登場しません。
朝廷から出された御題が「鳳凰像」に変わっているからです。
おそらく映像作品としたときの華やかさで採用したと思いますが、
もし、鬼瓦のままであの妖しさを映像で表現できていたら、
作品の評価もまた違ったものになっていたかもしれません。


ところで「猿田彦の暗号」って(以下略)


博物館の話題に戻りますが、この館内、特別展は撮影禁止ですが、
常設展の方はフラッシュをたかなければ撮影できるのだそうです。
では次回は是非何枚かお気に入りを収めてきましょう。
ここの常設展は見るものがいっぱいあるのですよ。
僕なんかは黒曜石と骨と土偶に惹かれますね。

また、館内奥のテーマ展示室では、「鼻煙壺」が展示されていました。
鼻煙壺(びえんこ)とは、嗅ぎたばこを入れる小瓶。
嗅ぎたばこというのはたばこ粉末の香りを直接楽しむもの。
この鼻煙壺の装飾がも~う本当に綺麗!来年の1月までの展示
とのことですから、ぜひみなさんもご覧ください!

■西川コレクション「鼻煙壺」
  http://www.thm.pref.miyagi.jp/exhibit/theme/H22_theme_1_2.html


外に出ると秋の気持ちいい空です。
博物館の敷地を流れる水辺からの風が心地よく撫でていきます。
おや、あれは。

コオニだ。コオニがおる。(←違う)

遠くに古民家が見える風景。
いつみてもここの環境はいいです。
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