キネマの天地2007年03月28日 01時34分19秒

曇りがちではあるものの、それでも気温が高まっているようです。
そう感じていたら職場で花見出席者を募っていました。
4月の中旬予定。咲いているか否かより急に寒くなりませんように。

さてDVDレンタルコーナーです。

<13F>
ローランド・エメリッヒ(インデペンデンス・ディの監督)制作のSF。
仮想現実世界を試作した男達の一人が何物かに殺され、
その手掛かりを求め仮想空間にダイブするという話。
しかし、実は主人公達のいた世界もまた仮想現実だったというオチ。
何重にも重なり合う仮想世界の発想は面白いですが、
仮想空間は1999年以前をモデルにしているため、
その中では近未来感覚が乏しくなるのが残念。
ちなみに同年には「マトリックス」が制作されています。

<キネマの天地>
山田洋次監督作、戦前の映画撮影所での人間模様を描いた人情物。
新人女優:田中小春のサクセスストーリーが中心ですが、
当時の邦画・洋画の傾向や映画界を取り巻く政情、
撮影所のシステムなど映画史が垣間見えます。
渥美清と笹野高史の微笑ましい掛け合いなど、
山田組のお馴染みの面子に安心感は絶大。
小春の父を演じる渥美清が映画館で息を引き取るシーンに涙。
松竹の自画自賛にも思えますが、映画への愛に溢れた作品。
「虹をつかむ男」を見たくなりました。

<炎のランナー>
1924年のパリ五輪に出場した二人のイギリス青年を描いた実話。
主人公のユダヤ故の反骨心や宗教の信仰心が根底にあり、
日本人にはやや理解が難しい面を持っています。
しかしながら、生きることと走ることが一体、つまり自分のやりたいことが
人生と重なり合う生き方と信念は美しく羨ましいです。
走るシーンはほとんどがスローモーションで
穏やかなBGMが流れ、スピード感には欠けますが、
逆に躍動感とピュアな心情が伝わってきます。
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