世界の空洞 ― 2007年03月13日 23時28分37秒
黒沢清監督作品のサスペンスホラー「叫」を鑑賞。
<物語>
東京の開発埋立地で赤い服の一人の女が殺される。
死因は海水を飲んでの溺死。
捜査にあたる刑事・吉岡の先々で同じ死因の被害者が続発していく。
その周辺では吉岡を犯人と思せる証拠が次々に発見される。
次第に疑心暗鬼になる彼の周辺に赤い女の幽霊が現れる。
この監督の幽霊モノはあまり怖くはありません。
今回の幽霊も妙に背景から浮いていたり、
大林宣彦的な妙な飛び方で去っていき、むしろ笑います。
随所に挿入される赤い色彩など雰囲気は盛り上がりますが。
しかし、ホラー監督のイメージが強いですが、
幽霊は小道具に過ぎず本題は異端者達のドラマにあると思います。
また、私としては他の監督が起用すると多くがヒーロー的になる
役所広司を冴えない普通のくたびれた男に変貌させる
才能があると言う点でかっています。
幽霊の素性はわかったようではっきりしません。
廃墟施設の患者だったのか、それ以前・以後から棲み付いたのか。
果てには直ぐ近くにいた彼女まで「シックスセンス的な展開」へ。
幽霊の正体はそれほど重要ではないのかもしれません。
キーとなる脳障害患者の収容施設のみならず、
舞台の埋立地は開発途中とはいえ発展の可能性は窺えません。
ピカピカのお台場等とは対照的な「捨て地」です。
吉岡ですら、刑事がいかに薄給とは言え取り残されたような住いです。
登場人物も景色も、東京の発展から抜け落ち生活感すら希薄な、
ゴーストとも言うべき風化していくばかりの空虚感が漂います。
このような東京都市開発の置いてきぼりを食らった景色を見ると
アニメ「機動警察パトレイバー(劇場版)」を思い出します。
1999年を舞台にしながらあの作品も東京の空洞部分を映し出しました。
1980年代、高度経済成長~バブル期から冷静な作品から
唱えられた暗部は今でも幽霊のように存在します。
赤い女の叫びはそんな土地と人々の怨み節かもしれません。
だからこそ同僚は理不尽に死ぬ不可解な展開になり、
存在に気づいた吉岡だけは「許します」と言われたのでしょう。
怨みと叫びは気づかずに日々を送る全ての人間に
向けられているのではないでしょうか。
もう一人の幽霊・春恵は対照的に怨まない女です。
こちらの幽霊の描写はそれほど細かくありませんが、
求められることには応じず姿を消します。
優しき想いは天に昇り執念の怨みは地に生き続ける。
マイナス思念が強く残るのが現実かもしれません。
<物語>
東京の開発埋立地で赤い服の一人の女が殺される。
死因は海水を飲んでの溺死。
捜査にあたる刑事・吉岡の先々で同じ死因の被害者が続発していく。
その周辺では吉岡を犯人と思せる証拠が次々に発見される。
次第に疑心暗鬼になる彼の周辺に赤い女の幽霊が現れる。
この監督の幽霊モノはあまり怖くはありません。
今回の幽霊も妙に背景から浮いていたり、
大林宣彦的な妙な飛び方で去っていき、むしろ笑います。
随所に挿入される赤い色彩など雰囲気は盛り上がりますが。
しかし、ホラー監督のイメージが強いですが、
幽霊は小道具に過ぎず本題は異端者達のドラマにあると思います。
また、私としては他の監督が起用すると多くがヒーロー的になる
役所広司を冴えない普通のくたびれた男に変貌させる
才能があると言う点でかっています。
幽霊の素性はわかったようではっきりしません。
廃墟施設の患者だったのか、それ以前・以後から棲み付いたのか。
果てには直ぐ近くにいた彼女まで「シックスセンス的な展開」へ。
幽霊の正体はそれほど重要ではないのかもしれません。
キーとなる脳障害患者の収容施設のみならず、
舞台の埋立地は開発途中とはいえ発展の可能性は窺えません。
ピカピカのお台場等とは対照的な「捨て地」です。
吉岡ですら、刑事がいかに薄給とは言え取り残されたような住いです。
登場人物も景色も、東京の発展から抜け落ち生活感すら希薄な、
ゴーストとも言うべき風化していくばかりの空虚感が漂います。
このような東京都市開発の置いてきぼりを食らった景色を見ると
アニメ「機動警察パトレイバー(劇場版)」を思い出します。
1999年を舞台にしながらあの作品も東京の空洞部分を映し出しました。
1980年代、高度経済成長~バブル期から冷静な作品から
唱えられた暗部は今でも幽霊のように存在します。
赤い女の叫びはそんな土地と人々の怨み節かもしれません。
だからこそ同僚は理不尽に死ぬ不可解な展開になり、
存在に気づいた吉岡だけは「許します」と言われたのでしょう。
怨みと叫びは気づかずに日々を送る全ての人間に
向けられているのではないでしょうか。
もう一人の幽霊・春恵は対照的に怨まない女です。
こちらの幽霊の描写はそれほど細かくありませんが、
求められることには応じず姿を消します。
優しき想いは天に昇り執念の怨みは地に生き続ける。
マイナス思念が強く残るのが現実かもしれません。

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