スタア誕生 ― 2007年03月25日 21時53分36秒
ポカポカ陽気が訪れいよいよ春の予感ですな。
小さな羽虫も出てきちゃってプチッと潰しました(←暗黒面)。
さて、デンゼル・ワシントン主演「デジャヴ」です。
<物語>
534人の犠牲者を出した大型フェリー爆破事件。
捜査に当たるダグは手掛かりとなる女性の焼死体にデジャヴを感じた。
一方、並行して進められる政府の極秘プロジェクト、
秘密兵器「タイムウィンドウ」を使用した捜査。
それは衛星画像等の監視システムを駆使し
「4日と6時間前の映像」を自由に見られる装置。
能力を買われたダグはこの特別捜査班に加わる。
しかし、このシステムには隠された秘密があった。
「デジャヴ」から始まりながらも実はタイムマシン物であり、
本当に見たこと起こったことになっていく構成ですが、
断片的に提示されるピースを過去から現在に向けて
事象が一つ一つ作られていく、体感として新鮮なパズルです。
ダグが過去に行く後編、救急車で突っ込むあたりから
見ている方は「ああ、これがこうなって」とパズルが
完成に近づくような快感が湧いてきます。
逆に血のついたシャツの正体がわかるあたりからは、
ダグが言うように「いや、どんどん事件に近くなっていく」
とドキドキさせられ、まだ終わらないとさらに期待します。
最後に現在のダグの死は過去のダグの登場へと
バトンを渡すことになり、同一時間の二人の存在は一つになります。
さらに魂も重なりあうことになったのか、
落し所を過去のダグが感じるデジャヴへと帰結させ、
一旦、無茶なSFを始めた作品を本来の起点に舞い降ろす。
見事な構成と知的な遊び感覚です。
デンゼル・ワシントンの魅力は何かと問えば英雄的魅力ですが、
本作のような荒唐無稽に脱線しそうなバランスの難しい物語を、
「この人なら安心して見られる」と期待させるカリスマでしょう。
他の黒人俳優の多くが得意とする話術やラップ的リズム、
あるいは肉体的アクションセンス以上に、
白人やその他の民族の俳優を遥かに呑み込むオーラがあります。
どの作品に出てもデンゼル、では俳優としては不利にも働きますが、
ならばスタアとしてよりオーラを強くしていくのも一興ではないでしょうか。
クラシックハリウッド時代のスタアのように。
小さな羽虫も出てきちゃってプチッと潰しました(←暗黒面)。
さて、デンゼル・ワシントン主演「デジャヴ」です。
<物語>
534人の犠牲者を出した大型フェリー爆破事件。
捜査に当たるダグは手掛かりとなる女性の焼死体にデジャヴを感じた。
一方、並行して進められる政府の極秘プロジェクト、
秘密兵器「タイムウィンドウ」を使用した捜査。
それは衛星画像等の監視システムを駆使し
「4日と6時間前の映像」を自由に見られる装置。
能力を買われたダグはこの特別捜査班に加わる。
しかし、このシステムには隠された秘密があった。
「デジャヴ」から始まりながらも実はタイムマシン物であり、
本当に見たこと起こったことになっていく構成ですが、
断片的に提示されるピースを過去から現在に向けて
事象が一つ一つ作られていく、体感として新鮮なパズルです。
ダグが過去に行く後編、救急車で突っ込むあたりから
見ている方は「ああ、これがこうなって」とパズルが
完成に近づくような快感が湧いてきます。
逆に血のついたシャツの正体がわかるあたりからは、
ダグが言うように「いや、どんどん事件に近くなっていく」
とドキドキさせられ、まだ終わらないとさらに期待します。
最後に現在のダグの死は過去のダグの登場へと
バトンを渡すことになり、同一時間の二人の存在は一つになります。
さらに魂も重なりあうことになったのか、
落し所を過去のダグが感じるデジャヴへと帰結させ、
一旦、無茶なSFを始めた作品を本来の起点に舞い降ろす。
見事な構成と知的な遊び感覚です。
デンゼル・ワシントンの魅力は何かと問えば英雄的魅力ですが、
本作のような荒唐無稽に脱線しそうなバランスの難しい物語を、
「この人なら安心して見られる」と期待させるカリスマでしょう。
他の黒人俳優の多くが得意とする話術やラップ的リズム、
あるいは肉体的アクションセンス以上に、
白人やその他の民族の俳優を遥かに呑み込むオーラがあります。
どの作品に出てもデンゼル、では俳優としては不利にも働きますが、
ならばスタアとしてよりオーラを強くしていくのも一興ではないでしょうか。
クラシックハリウッド時代のスタアのように。

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