バラバラな数日間 ~ 「シャッフル」「タイムリープ」2009年08月16日 23時55分10秒


久しぶりな感じがする(?)サンドラ・ブロック主演
シャッフル」についてのこと。


サンドラ演じる主人公は夫と二人の娘と幸せに暮らしていたが、
ある日突然、夫は不慮の交通事故で命を落としたと知らせがある。
悲しみにくれるサンドラはその日は眠りにつくが、
一晩明けるとリビングで何事も無かったように夫がいる。
悪い夢だったのだとサンドラは夫が無事だったことを喜ぶが、
一晩の眠りから目覚めると居間には喪服姿の親戚達が・・・。
そして、サンドラはあることに気づく、
一週間の曜日が"シャッフル"されて訪れていることに・・・。


一週間の曜日がバラバラになって襲ってくるという点に、
「新感覚スリラー」との触れ込みがキャッチとして踊り、
批評家の皆様もその点には評価しているようなのですが、
広報側も批評家側も知らぬのか興味を示さなかったのか、
そんなものは過去の塵に埋れてしまったたのか、
1997年に公開された高畑京一郎・原作の小説の映画化、
邦画「タイムリープ」には触れていません。



この映画の監督がその後、あまりに不名誉な罪を犯して、
なおかつその謝罪が少しもフォローできない内容、
だったからかは知りませんが、今では触れる人もいないと思う。
すもももももも」の監督が撮っています。

監修はいまや大御所・大林宣彦先生。
なぜ先生が監修なのかはわかりませんが、
自主映画の畑で知る中だったのでしょうか。
そして、「タイムリープ」の画もどこかトリッキーで、
いわゆる、"こんなの他に誰も撮らない画"が見られます。

映画「タイムリープ」は主人公の女子高生が
ふとしたことから時間移動能力を身に付けてしまい、
学校周辺で起こる様々な怪事件に巻込まれながらも
同じ学校の秀才生徒と共に能力の謎と事件を解決する、
ジュブナイルSFです。

「時をかける少女」からの影響が指摘されていますが、
本作では時間移動を楽しんではいないことや、
数日間が巡る順番を崩して、バラバラなパズルとして
謎解きと共に構成していることが異なる点だと思います。

そして「シャッフル」の設定を読んだとき、
パッと頭に過ぎったのはまさにこの「タイムリープ」。
巻込まれ型と、能力駆使型との違いはあるものの、
曜日がバラバラにやってくるという点ではかなり類似します。
それ故に私には、既に前例があるアイデアとしてしか
受け取ることはできませんでした。
(念のために調べましたが、リメイクではなく、
オリジナル脚本だと語っています。)

しかもサンドラ・ブロック・・・。「スピード」のときなら・・・!
まあ、「タイムリープ」のヒロインも佐藤藍子なのですが。
一応、第6回全日本国民的美少女コンテストでグランプリ受賞。
当時20歳で女子高生・・・童顔ではないのでちょっと無理がある。


それはさておき、「タイムリープ」では
なかなか頭の回転が早い人たちが主人公なので、
時間を移動するトリガーを発見して意図して移動したり、
移動前に自分に向けて次の行動のメッセージを残したりと、
事件解決に向けて先手先手を打ってテンポ良く気持ちいい。

ところが対して、「シャッフル」では主人公がどうにも鈍感で、
曜日がシャッフルされていることに気づくのが遅いです。
しかも、わざわざ危険な方向で足を自分から踏み入れていき、
精神科医に拘束された日の後で、明らかにその精神科医と分かる
病院に相談に行くというところは、オイオイ!であります。

やっとこさカラクリに気づいたところで、
彼女は夫を事故から救うために未来を変えようとしますが、
予想通りその行動こそが夫を死に導いていく・・・。
「ファイナル・ディストネーション」の逆らえない運命や
死神のせいとは違う、それまでの鈍い行動故にこれもオイオイ。

最後に夫の残したささやかな希望、が差し出されるものの、
夫を失う悲しみを二度も味合わされた上に、
その事故が自分の引き起こしたものだとなっては、
あまりにかわいそうな結末ではありませんか?


私ならば少々探してでも「タイムリープ」を
鑑賞することをお勧めします。
結構、すっきり後味良くできていると思いますよ。
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