きらめきの中に ― 2008年12月23日 23時21分33秒

フレンチコメディ「DISCO」についてのこと。
かつてディスコ全盛期にダンスフロアのスターだった「ビー・キング」。
40代に突入した彼らはかつての輝きを失い、
無職で離婚経験あり、ストライキに奮起する湾岸労働者、
家電店勤務で妻には頭が上がらないなど、冴えない生活。
そんな折に、地元のクラブオーナーがディスコイベントを復活させる。
ビー・キングのリーダー、ディディエは息子に
賞品の旅行をプレゼントするため、
元メンバーを召集し再びフロアに上がるのだった。
私は別にダンス等はやっていませんが、歌って踊る映画が大好き。
近作ならば「ヘアスプレー」「アクロス・ザ・ユニバース」
旧作は「ブルース・ブラザーズ」「フットルース」等等。
この「DISCO」も見事にそのリストに加わりました。
冒頭の映像が寂れた湾岸工業地域の風景から始まり、
ストライキやディディエの失業、
息子にプレゼントを贈るためのチャレンジ、
そしてそれをも越えるダメ男の一念発起あるいは再起映画・・・、
というと製作陣も語るように「フルモンティ」などの
社会派的メッセージを籠めているように思いますが、
それは背景として機能しているだけに控えられており、
中心はディディエの40過ぎた、しかし青年時代のような
恋を描くに他なりません。
お相手は衰えた体とダンスを鍛えなおすために訪れた
ダンス教室の美人教師フランス。
簡単に一目惚れしてバレエ担当だというのに無理矢理教えを請う。
もちろん何かと接点を多くしようとレッスンの後も日々奮闘。
そりゃそうです。
40過ぎた男の情熱がただの一念発起でいつまでも続くわけがない。
男は女に褒められるだけで明日も生きていける、
女に見て欲しいから自分を鍛えることができる生物。それが真理。
この関係は「Shall we ダンス?」でも
画的に一番しっくりくる型となっています。
しかもこの美人教師を演じるのがエマニュエル・ベアールときた。
こちらももはや40過ぎたお年頃ですけど、この上なく美しい。
精神的に大人であり、聡明でユーモアも備える。
これが自然な美しさであるのがポイントで、
例えばニコール・キッドマンもまたお年に合わずに美しいものの、
別次元の存在のようにしか感じられないのであります。
この映画のベアールの魅力に参らなければ、男として終わり。
我が心のスクリーンの女神と言えばこれまでのところ、
アジアのヴィッキー・チャオとカナダのサラ・ポーリーでありますが、
西欧勢力はやはり見直さねばなりません。
食事に招待したディディエのベタベタな演出が心地よい。
ドライブで甘いディスコナンバーが流れてきたと思えば、
BGMで流れるのではなく自分で歌い出す。
そうでしょうよ、そうでしょうとも。自分で歌いたい気分よ、そういう時。
周囲はバカな奴と笑うけれども、どこかで皆羨ましいと思っている。
馬鹿は恐れも心配も感じないだけに、
気持ちを真直ぐに伝えるための武器になる。
もう少し馬鹿で無謀になれたらいいのにな、
と思っているから応援して共感して映画と一体になれる。
でも、聡明なフランスは一時の感情を冷静に捉えて、
ディディエの元を去って行くのみ。
ここがまたフレンチムービーが持つ大人の魅力であり、
それでこそ一層、胸が熱くなるのであります。
難病や死別で描く劇場的な愛を真実と謳うよりも、
こういう些細なかけひきに一喜一憂、胸締め付けられることが、
純粋な愛を感じている瞬間なのではないでしょうか?
かつてディスコ全盛期にダンスフロアのスターだった「ビー・キング」。
40代に突入した彼らはかつての輝きを失い、
無職で離婚経験あり、ストライキに奮起する湾岸労働者、
家電店勤務で妻には頭が上がらないなど、冴えない生活。
そんな折に、地元のクラブオーナーがディスコイベントを復活させる。
ビー・キングのリーダー、ディディエは息子に
賞品の旅行をプレゼントするため、
元メンバーを召集し再びフロアに上がるのだった。
私は別にダンス等はやっていませんが、歌って踊る映画が大好き。
近作ならば「ヘアスプレー」「アクロス・ザ・ユニバース」
旧作は「ブルース・ブラザーズ」「フットルース」等等。
この「DISCO」も見事にそのリストに加わりました。
冒頭の映像が寂れた湾岸工業地域の風景から始まり、
ストライキやディディエの失業、
息子にプレゼントを贈るためのチャレンジ、
そしてそれをも越えるダメ男の一念発起あるいは再起映画・・・、
というと製作陣も語るように「フルモンティ」などの
社会派的メッセージを籠めているように思いますが、
それは背景として機能しているだけに控えられており、
中心はディディエの40過ぎた、しかし青年時代のような
恋を描くに他なりません。
お相手は衰えた体とダンスを鍛えなおすために訪れた
ダンス教室の美人教師フランス。
簡単に一目惚れしてバレエ担当だというのに無理矢理教えを請う。
もちろん何かと接点を多くしようとレッスンの後も日々奮闘。
そりゃそうです。
40過ぎた男の情熱がただの一念発起でいつまでも続くわけがない。
男は女に褒められるだけで明日も生きていける、
女に見て欲しいから自分を鍛えることができる生物。それが真理。
この関係は「Shall we ダンス?」でも
画的に一番しっくりくる型となっています。
しかもこの美人教師を演じるのがエマニュエル・ベアールときた。
こちらももはや40過ぎたお年頃ですけど、この上なく美しい。
精神的に大人であり、聡明でユーモアも備える。
これが自然な美しさであるのがポイントで、
例えばニコール・キッドマンもまたお年に合わずに美しいものの、
別次元の存在のようにしか感じられないのであります。
この映画のベアールの魅力に参らなければ、男として終わり。
我が心のスクリーンの女神と言えばこれまでのところ、
アジアのヴィッキー・チャオとカナダのサラ・ポーリーでありますが、
西欧勢力はやはり見直さねばなりません。
食事に招待したディディエのベタベタな演出が心地よい。
ドライブで甘いディスコナンバーが流れてきたと思えば、
BGMで流れるのではなく自分で歌い出す。
そうでしょうよ、そうでしょうとも。自分で歌いたい気分よ、そういう時。
周囲はバカな奴と笑うけれども、どこかで皆羨ましいと思っている。
馬鹿は恐れも心配も感じないだけに、
気持ちを真直ぐに伝えるための武器になる。
もう少し馬鹿で無謀になれたらいいのにな、
と思っているから応援して共感して映画と一体になれる。
でも、聡明なフランスは一時の感情を冷静に捉えて、
ディディエの元を去って行くのみ。
ここがまたフレンチムービーが持つ大人の魅力であり、
それでこそ一層、胸が熱くなるのであります。
難病や死別で描く劇場的な愛を真実と謳うよりも、
こういう些細なかけひきに一喜一憂、胸締め付けられることが、
純粋な愛を感じている瞬間なのではないでしょうか?
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