美術館にて2008年12月08日 00時18分38秒

確か、宮城県美術館の長期閉館は、
空調設備に関連した改装・工事だったと思いましたが。

さて、その宮城県美術館の特別展示ですが、
17世紀のオランダの静物画を中心に当時の作品を展示。

その静物画の精密な描写といったら!
市場の風景の果物のつやと瑞々しさ、肉の切り身の生々しさ、
花瓶に活けられた花の柔らかな質感。
単にそこにあるものを忠実にコピーするのではなく、
金属の固さ、生物の柔らかさ、冷たさや温かさなどの
質感さえも絵筆によって再現するという、
もはやアナログによるブルーレイとも言うべき再現力は、
天才の神業か狂気の所業か。

その再現力の向こう側に、被写体の意味する比喩や、
美しさゆえの儚さと、煌びやかゆえの醜さを感じさせる絵になると、
遥か昔の学校の授業で、ただのモノをただのモノの絵としてだけ
描いていた、人物画よりも楽だなどと感じた自分が
いまさらながら浅はかだったと思えてきます。
いつか描いてみたいものです。たとえ葡萄の一粒だけでも。

先のジャムのほか、ショップでは
展示で妙に印象に残った、
フェルディナント・ボル作「リラ・ダ・ガンバを持つ女」の
A4サイズのシートを購入。ただ今、部屋の隅に飾っております。

「ウィーン美術史美術館所蔵・静物画の秘密展」は
宮城県美術館にて12月14日まで開催。
是非足をお運びになって。
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