銀色の風2007年11月17日 00時23分39秒

続いても9月鑑賞「ファンタスティック4/銀河の危機」。
アメコミの中でも歴史の古いコミックの映画化
2005年の「ファンタスティック4」の続編です。

<物語>
宇宙線を浴びたことから超能力・特殊身体能力を身につけた
リード、スー、ジョニー、ベンの「ファンタスティック4」。
リードとスーは結婚を間近に控えていたが、
スーは特殊な境遇ゆえに普通の結婚生活が
送れないことへの不安を抱いていた。
そして新たな事件、銀河より飛来した謎の生命体、
全身が銀色のシルバー・サーファーが現れた。
彼が出現した星は異常現象に見舞われ、
8日間で死の星になってしまうのだ。

どうやら極端に失敗しない限り、コミック物の続編は制作されるようで、
「シンシティ」や「ゴーストライダー」なども進行中とのこと。
また、最近はヒーローも複雑な境遇・内面を描くのがルールのため、
1作の映画には収まりきらないのも続編制作の理由らしいです。

さて、そんな事情はともかく本作は順調な続編。
物語の軸はリードとスーの実生活とヒーローの宿命で揺れる心情です。
生活とヒーローの両立の悩みは「スパイダーマン」でもやっているものの、
若さで乗り切ったピーターと違い、リード達は人生を考える大人。
さらに素顔を晒しているので芸能人が一般人になれないことと
共通する安らぎの場の無い悩みを抱える点で
より強く現実を突きつけてきます。

もう一人の軸はメンバーとの能力交換が可能となった
協調性に欠けるやんちゃ坊主のジョニー(ヒューマントーチ)。
その性格と触るだけで能力が入替る故に
メンバーとの間に距離ができます。

それぞれの悩みを克服しさらに結束を固めた第2ステップへと
至るのが今回の物語の主題のようです。
ベンに関してはそれほど大きなイベントが無いのですが。
(一番年配故、見守る役目か?)

ヒーロー的な描写についてはラストバトルは
シルバー・サーファーと空中戦を交えたり、
全員の特殊能力を身につけて「みんなの想い、俺に預けてくれ!」
とばかりに強敵に立ち向うジョニーの独壇場の感が強いです。
なお、強敵とは前作のラストを受けてやっぱり復活したドクター・ドゥーム。
実は事情があって敵であったシルバー・サーファーの
能力の源・サーフボードを手に入れて再び立ちふさがるも、
ジョニーの命を賭けた正に燃える拳に倒れます。

もっとも、ドクターの結末はきちんと語られてはいませんし、
最後にサーフボードが飛んでいく彼方には、
やはり彼がいるのではないでしょうか。
と、いうわけでもう1作あるでしょうな。

シルバーサーファーが実は良い人、というのは
コミック「シルバーサーファー」を初めとして語られる、
マーベルでトップクラスの高潔さを持つヒーローという
事実を知っていれば特に驚く展開では無いそうです。
アメコミに疎い私は鑑賞後に知ったのですが。

ヒーローの精神的な成長に時間を割いているので
アクション的にはちょっと味わい足りないかも。
今年は特に「ダイ・ハード4.0」や「ロッキー・ザ・ファイナル」
「ボーン・アルティメイタム」などなど
迫力ある肉体のアクションが多かったですからね。

次回最終作(勝手に決める)はヘヴィなパンチを期待します。
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