広げどころの見極め2007年11月08日 23時21分23秒

すっかり秋の空。夏の雲とは明らかに違う雲です。
気づけば落ち葉も散り始めあっというまに冬のよう。
今年は特にあっというまだった気がしますよ。

今夜は「仮面ライダー THE NEXT」です。

<物語>
本郷猛と一文字隼人がショッカーを裏切ってから2年。
本郷は高校教師として就任し組織と戦い、
一文字は改造の代償「リザレクション」の死の恐怖と戦っていた。
本郷の担任クラスに琴美という浮いた存在の少女がいた。
彼女はアイドルのChiharuと親友だったが、
Chiharuの歌を聞くと死ぬ、という噂を調査していた。
そして琴美の目の前でChiharuは自殺、
居合わせた本郷の前にショッカーが現れ再び戦いが始まる。


「THE FIRST」は当時の韓流ブームを受けたかのような
ラブストーリー全開のシナリオと一文字の変貌ぶりに大いに笑いつつ、
アクションも演出も十分燃えるものでオマージュも豊富、
それ以前の懐かし特撮・アニメの実写リメイクでかなりまいっていた分、
思っていたよりも良い仕上がりで満足したものでした。

そんなわけで本作はショッカーライダーが登場し
さらにV3&風見志郎が登場するとあって
月日とともに前作の余韻は薄れているものの期待はそこそこにありました。

さて、<R-12>までついた本作。
そのR-12の理由はよく分かりませんでした。
それらしいキーワードはあるものの、
あっても指定無しのものもありますので。
まあそんなものと流します。

風見志郎のキャラクターがやはり凄いことになっているのは
前作の一文字で慣れっこですが、
立場を除けば一文字とキャラがやや被るのが気になります。
ただChiharuが妹であるという設定で深く関わることから、
ははあ、TV版では早々に殺されてしまった妹との兄妹愛を
深く描き出していくのだな、と楽しむことに。

ところで「THE FIRST」で立花のおやっさん役に
宮内洋が登場していましたが今回は出演せず。
次回があれば是非とも共演して欲しい。

というような旧作ファンへのサービスはかなり薄くなったように思えます。
前作でデジタル出演で天本英世の死神博士を出したりしたことを思えば、
韓部数も少なくどうも物足りなさは否めません。
それでも納谷悟朗のショッカー首領の声は嬉しいものですよ。

さて「酔え」と言われるアクションですが、
中盤のバイクアクションが一番見所だと思います。
爆炎の中を突っ切るアクションはここはいい意味で昔に戻った感じ。
バイクのターンもびしっと決まる中、黒い血を吐く2号が、
この戦いの困難さを物語ります。

終盤のアクションはアクションそのものはコンテナをぶち破ったり
ナノロボットの散布というリミット付きで燃える展開であるものの、
途中で琴美&Chiharuパートと頻繁にチェンジするのがいけません。
かなり細かく何回も入替り、しかもChiharu編の展開は先が読めるため、
一気に終了しないのは多少苛立ちを覚えます。
「酔え」と言われても酒に酔う途中で冷水を出されるような感覚です。

また、TV版初期の怪奇物テイストへの回帰も図ったと言いますが、
これもCGが多く、昭和の手作り感が生む生々しさが無く物足りません。
壁に大きく浮ぶサソリ男の影や、暗がりから忍び寄る蝙蝠男、
無表情な戦闘員と奇怪な声、昔の方がトイレに行けないくらい怖い。
触手の化け物は正直なところ冷めてしまいます。

総合的には前作よりも物足りないのが正直な感想です。
もう一作ぐらいはありそうなのでそれには期待しますが、
一文字が実はナノロボットで再改造されて
「リザレクション克服!」などと都合の良い展開を望んでもいいのでは。
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