静流河深

この暑さで灼熱のファイヤーダンスだって踊るどころではない。
杉様よろしく、君は人のために死ねるかよりも
まず自分のために生きるとしても誰も責めることができようか。

脳がとろけて流れ出て橋の下のぬるい水になった発言はおいておいて、
人間はへばりきっていても、この暑さを存分に栄養にしている生物がおる。

その名はトマト！
家の家庭菜園のあの赤い奴ったらもう、通常の3倍のスピードで成長ですよ。
もう何個実をつけたったらありゃしない。ハテ？


トマトは乾燥帯にルーツがあるそうで、育て方にもよるけれども、
少量の水分と多量の熱でも立派に成長するんだそうな。
気温が上がりまくって人類が滅んだら次に栄えるのはトマト人間じゃないかしら。

どうも電波人間な発言しかできないので、トマトと言えばな映画な話。


日本映画でトマトと言えば、大地康雄企画・脚本・製作総指揮・主演の、
その名もずばり「恋するトマト」。

恋するトマト
農家でオッサンになって嫁探ししている大地康雄が、
やっとこさフィリピン女性とめでたく結婚、と思いきや、
フィリピンに来てみれば結婚詐欺で一文無しに。
そのまま、現地で日本人観光客相手に現地女性を宛がう道に走ったら、
愛する人と出会い、純に農家に生きた日々を思い出し、
トマトの栽培に全てをかけ始めるというお話。

なんとも土に塗れた匂いが漂うべったべたな映画なのですが、
なんだか燦燦と太陽の下で畑から芋引っこ抜いて「良い実りだなー！」
というまさにその感覚のような、大地康雄の笑い顔だけで
あとの欠点はどうでもよろしくなる人情映画なのでございます。
この年の隠れたお気に入りでした。


遠雷
もう一つ日本映画ならば、根岸吉太郎監督の「遠雷」でしょう。
原作は立松和平。主人公を永島敏行が演じて、
この主人公がトマト栽培を生業としている。
トマト畑の中でロマンポルノ時代の杵柄やらを弾けさせてる。
僕は既に、夏のトマト畑のビニールハウスを見ると
これを思い出す病気にかかってます。

都会の近郊で農業を営んでる主人公ですが、映画の冒頭で、
トマト畑からズームアウトすると、遠方に巨大な都会の建物が入り込み、
主人公の意地と怒りが、近代化と経済成長が激しくぶつかりあう！
素晴らしいシーンだと思います。


フライド・グリーン・トマト
外国映画ならば、「フライド・グリーン・トマト」ですかね。
お婆さんがおばさんに自分の回想を話して聞かせる話。
怖さなら一級品のキャシー・ベイツや、
「ドライビング Miss デイジー」の主演のジェシカ・タンディなど、
僕の好きな女優が出演してたりします。

フライド・グリーン・トマトというのは
この中に登場するカフェの名物料理。
実際にレシピもネット上で掲載されているのでお試しあれ。

よきアメリカの田舎の風景が眩しいよきアメリカ映画なのですが、
印象に残ってるのは「食べちゃったの！？」というくだり。
何を食べてしまったのか食べなかったのかは、見てのお楽しみ。
実は大分昔に見たので、それ以外にほとんど思い出せないのです。


はい？何か忘れているでしょって？
そうですね。

「キラートマト」シリーズ。
殺人トマトが人間に襲いかかる恐怖の映画！
計4本の作品のうち、「リターン・オブ・キラートマト」には
無名時代のジョージ･クルーニーが主演しています。
以上。
それ以外知らなくて大丈夫。人はパンとワインで生きていける。


アタック・オブ・ザ・キラー・トマト
現在、DVDで見られるのはこれだけのようです。
皆様も映画の中のあの食べ物、そんな繋がりで見てみてはいかがでしょうか。


スペインのトマト投げ祭りに参加したいなー。
毎年８月(今月！)の最終水曜日に行われるんですって！
思いっきりぶつけたーい。