カネゴンと、お口にチャック2010年08月17日 23時50分15秒

DVD ウルトラQ VOL.4
DVD ウルトラQ VOL.4

引き続き「ウルトラQ」ですが、「カネゴンの繭」を初めて見ました。
カネゴンはウルトラQでは有名な怪獣で、
作品を見たことがなくとも知っている人は多い人気者です。

Real Action Heroes カネゴン
Real Action Heroes カネゴン

これがカネゴン。
カエルの様な頭にカタツムリのような角の先に目玉。
口はチャックになっている。
お金が食料で、食べると胸のカウンターが増えていき、
お腹が空いてくると数字がゼロに近づいていく。

今回初めて、そのカネゴンが登場する話を見ましたが
なかなかシュールで筋の通らない話でポカンとした。

小学生の年で金に執着する少年・金男(かねお)は金の音がする繭を手に入れる。
両親は心配し、「そんなに金に目がくらんでるとカネゴンになるぞ!」と言う。
繭はどんどん大きくなり、中からお金が溢れ出てくるが、
金男は繭の中に引きずり込まれてしまう。
翌朝、目がさめると金男はカネゴンになっていた。

と、いうのが物語の導入です。
これは教訓的な寓話としてまあ良いでしょう。
繭がどこからきたものか正体は最後まで謎のままです。

なお、この話には先の記事で書いた桜井浩子さんを含む主人公3人は登場せず、
カネゴンとその友達の少年達が主役で話が進みます。
金男の友達たちは金男が餓死しないようにお金を集めたり、
なんとか元の姿に戻そうとします。

元の姿に戻す方法を聞きに行くのが他の話に登場する博士ではなく、
何故か町の祈祷師のお婆さんなのですが、
「金男を元の姿に戻すにはヒゲの中松を逆さにせよ!」と
わけのわからないことを叫びます。


こういうのって、普通は金への執着を改心するとかそういうことではない?
まあこの時点で金男は十分後悔しているので良いんですけど。


ヒゲの中松というのは工事現場のオヤジで
金男たちをいつも追い回している乱暴者という人間。
このオヤジ、太めの体型にカイゼル髭で、
ランニングに作業ズボンの典型的スタイルですが、
僕にはどうしても「レッキングクルー」のマリオにしかみえない。
任天堂の関係者がこの「カネゴンの繭」を見ていて
ヒゲの中松をモデルにマリオを考えたように思えるくらい。

そんなヒゲの中松と少年達の勝負は工事現場で、
中松が乗ったブルドーザーが斜面を転落していき、
とうの中松が斜面の途中に引っかかり、
少年達は「中松が逆さになっているぞ!」と叫ぶ。その瞬間。

カネゴンの周囲が凄まじく爆発し、ロケットのように火花を噴出し、
カネゴンは大空高くまっすぐに飛んでいき、虚空に消えていく。


・・・ナニが起こった?考える暇なく、パラシュートがふわふわ落ちてくる。
そして落下したパラシュートには元の姿の金男がいた・・・。


うーん。サッパリ分からない。
金に目がくらんではいかんネ、ということでしょうが。

ちなみに、この話のオチは金男が改心して家に帰ると、
今度は両親がカネゴンになっているという事態で終わります。


ところで、「お口にチャックしなさい!」という、
小さい子供に少し静かにしていなさい、という注意の仕方がありますが、
この話のなかで、どうしても元に戻りたくて必死のカネゴンが、
「うるさいな!少し黙ってろよ!」と口のチャックを閉められる場面があります。
これはまさに「お口にチャック」そのままです。

お口にチャック、というのは何時から言い始めたことなのか?
を調べましたが、チャックという言葉が戦前から日本にあったことはわかるものの、
それを使用した注意の仕方、の起源までは追えませんでした。

このままでは「カネゴンの繭」のこの場面が僕の中で
「お口にチャック」の起源ということになってしまいますが、
真相はどうなんでしょうねー。
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