覆面上映2006年04月13日 00時57分56秒

「覆面上映」

そう聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょう?
仙台市中心部にアジトのように存在する映画館「セントラル劇場」。
そこで土曜や金曜の深夜に往年の作品を
掘り起こして再上映する企画が続いていました。

ただ、作品のラインナップがどういうわけかカルト・マニア路線に偏ります。
そして、その最たるものが「覆面上映」とされる企画で、
「実際に劇場で見るまで何を上映するかわからない」というもの。
ただし「未鑑賞率97%」とか「脳汁爆裂120%」とか
怪しげなキャッチが毎回ついているのです。

この日、4月1日は「この作品の上にカルトなし!
自信を持ってお贈りする空前絶後の大怪作!」という
これまた珍妙なキャッチでした。

一体どんなものなのか、トラウマにならないか、
今まで恐ろしかったのですが、長らく休映していた企画が復活!
という日だったので、勇気を貰って行きました。


観客は160人ほど収容のところ、50人くらい。
結構いたと思います。でもやっぱり変人オーラが見えます。
というか、BGMに梅宮辰夫の「シンボルロック」がかかる時点で怪しいよ!

・・・「シンボルロック」。シンボル=所謂、「男のシンボル」である。
シンボルのお陰で夜の街を大手を振って歩くような
豪快な若かりし頃の梅宮辰夫を表現したと言える曲であります。
ちなみに10年ほど前まで「放送禁止」でした(笑)。

さて、怪しげなBGMを前座に始まった謎の映画の正体は!


「ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎ども!」(邦画)

ごぶぉ!タイトルだけで怪しい昭和の香です。
気になる中身は。ヒマラヤに挑んだ登山隊が「雪男」を捕獲。
日本に連れて帰り、国際学会が召集されるほどのパニックに。
しかし、登山隊の隊長には密かな計画があった。
実は雪男の正体は、中国の登山隊がヒマラヤで偶然に発見した
ウラン鉱脈の存在を極秘にするために
口封じに抹殺された現地人の生き残りだったのだ!
そしてそれを操る秘密結社の正体をも暴くため、
国際会議の場で雪男とともに悪の元凶と対決する!

なんとまあ壮絶なシナリオでしょう。
しかも、この豪快な隊長を演じる主演俳優は片岡千恵蔵(!)ですよ?
雪男は全身毛むくじゃらで「グオー」と吠えて氷風呂に入っています。
ホテルではヤギを一頭生で食い尽くす豪快さ。
さらに、悪人を倒してヒマラヤに帰るときにはスーツを着ています、オイ!

中盤はやや眠くなるので抱腹絶倒とは言えませんが、
後半は一気に放心状態です(笑)。
ええ、凄い作品ですよ。観て損はしませんよ。


さて、そんな珍作なので上映中は劇場内は爆笑の渦でした。
終わったあとは拍手喝采。よくやった!という感じの拍手です。
あの雰囲気は病みつきになりそうです。
古き良き時代の、演芸と映画が丁度良く混ざっていた時代。
今はコメディでもそんなに笑わないじゃありませんか。
作品と観客の一体感。本来あるべきであり隠すべきではありません。
可笑しければ笑おう。楽しければ踊ろう。書を捨て街に出よう(?)。

素晴らしきアンダーグラウンド。次回の覆面上映も行きます!

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