THE MYTH 神話2006年04月17日 00時13分21秒

私、この映画がジャッキー・チェン主演と気づくのが遅うございました。
なにか50過ぎて真剣な眼差しが多くなった気がするせいでしょうか。
コミカル時代とのギャップがまだあるのだと思います。
そんなジャッキー最新作「THE MYTH 神話」です。


現代の考古学者ジャック(ジャッキー)の夢に現れる秦王朝時代の美女。
ジャッキーそっくりの顔の将軍はその美女・王妃の警護をしていた。
現代で反重力効果を生み出す謎の鉱石の研究と捜索を
進める途中、幾度も現実と夢が交錯する。
夢は前世と分かり、辿り着いた始皇帝の遺跡で
ついに前世と現世が巡りあう・・・。

始皇帝の追い求めた不老不死の霊力により前世から生き続けたユシュン。
秦の時代から現実の時の流れを行き続けたとなると、約2200年間。
まるで業を背負わされたような時間ですが、
想い人への強く純粋な愛ゆえに待ち続けたのでしょう。
しかし、現れたジャッキーに一度は面影を見るも、
転生した彼を全くの別人と知り、ともに進むことを拒絶してしまいます。

純粋な愛ゆえに強く、強く純粋ゆえに永遠に叶わぬ愛に生きる、
「記憶もあるし、ほとんど同一人物だからいいじゃない!」
という理屈は彼女の前にはなんの力も持たない。
美しく、哀しく、切なくいとおしいヒロインでした。

その余韻が残り、始皇帝の神秘は土の底に眠る。
それは遠くからの不思議な御伽の話。
全てを綴った本を閉じる穏やかなジャッキーの微笑。
雲が晴れたようなスッキリとした気分になりました。


でも、壮大な話ですが昔の香港映画のクセがやはりありますよ。
なぜかみんな、学者も助手もカンフーの達人ですし(笑)。
不老不死の霊力から反重力パワーの秘石まで強引な展開。

ジャッキーは新香港国際警察ほどではありませんが、ギャグは抑え目。
ですから、やっぱりジャッキーか、という一本とも違うと思います。
映画としてみてもジャッキーとしてみてもややズレを感じますが、
そういう「あれ?」というところもひっくるめて楽しめればと。


一言だけ声を大にして言わせていただければ。
「ジャッキーにあの兜は似合わん!!!」
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