あいつがおれでおれがあいつで ― 2008年11月20日 23時26分55秒

「彼が二度愛したS」についてのこと。
主人公はユアン・マクレガー演じるジョナサン、
仕事だけ打ち込んできた恋愛に不器用な孤独な男。
そんな彼に気さくに話しかける唯一の男、ワイアット。
演じるヒュー・ジャックマン。
彼らは少しずつ友好を温めていくが、
ある日、ヒューの携帯電話を取り違え、
女の声で「今夜は暇?」と電話が入る。
最初は取り間違いとしていたが、ある時、誘いに乗ることに。
そこは企業エリート達が一夜限りの関係をもつ会員制秘密クラブ。
このクラブのルールは4つ。
待ち合わせはホテル。
手荒なことは禁止。
名前、職業は秘密。
合言葉は「今夜は暇?」
ルールがあれば破る者がいるのは常ですが、
少なくともクラブの男に関してはユアンしか出てこないので、
別に白豚変態男が出てくるわけではなく、
またそういった人物がどうやって排除されるのかはわかりません。
ともあれ、前半は女性もいかにもエリートな麗人ばかり。
勿論濡れ場の連続ですが下品になることなく品位が保たれています。
その最たるものが二人目の女、シャーロット・ランプリングが演じる
ジョナサンにクラブの存在意味の教授と
手ほどきをするウォール街の美女。
これこそ大人の女性の余裕。参った。
さて、そんなジョナサンには地下鉄で一目惚れした美女がいた。
名前も知らぬが「S」を象ったアクセサリを身に着けている。
その女がある時、クラブの相手としてやってきた。
風俗に行ったら隣のお姉さんがきた等という安いものではありません。
不器用な男のドラッグのような日々は
ここで全て終わり、一途に「S」を追いかけます。
どうあれ彼女との接点が出来たことに喜んでいると話は急展開。
実はワイアットは腹黒い詐欺師で「S」を誘拐し、
ジョナサンに会社の不正資産を盗んで送金しろと要求してくる。
話の中盤からはこの緊張感溢れるサスペンス仕立て。
さて、サスペンスを数多く見ている人で感の鋭い人は
「S」の正体に薄々気づくでしょうが、本作もご多分に漏れず。
いわゆる彼女も悪女であるわけですが、
敢えて悪女ぶりはシーンとして描きません。
そのおかげでラスト近くからエンディングの展開は
わりとすっと受け入れられます。
これを演じるミシェル・ウィリアムズ
(先頃逝去したヒース・レジャーの妻)
の存在感がやや重みがないけれども、
やはり類似の悪女を演じたニコール・キッドマンぐらい強いとやはり
途中のチャーミングさも終盤の佇まいも出ないでしょう。
ところでこの映画の肝は
クライマックスの送金した金の受け取りのシーンの、
ヒュー・ジャックマンがユアンの役になりすまし、
ユアン・マクレガーがヒューの役になりすますところにあります。
何故そういう展開になるのかはミステリーの楽しみなので
伏せますが、このシーンをやりたいがために映画にした気がします。
ヒューとユアンでは体格も顔つきも全然違いますし、
偽者のウルトラマンか仮面ライダーぐらいに
「似てねえよ!」というレベルですが、
二人が並ぶと妙な美しさとファンタジーとが混在しています。
ともあれヒュー・ジャックマンとユアン・マクレガーの演技合戦の面白さ、
全体を統一する品性のレベルは悪くなく質は良いと思います。
それにしても仕事と出世に集中するべく
欲求だけを満たすために男女の仲も
一夜限り後腐れ無しの会員制クラブで合理的に済まそうとは、
なんともいやはやな話ではないでしょうか。
主人公はユアン・マクレガー演じるジョナサン、
仕事だけ打ち込んできた恋愛に不器用な孤独な男。
そんな彼に気さくに話しかける唯一の男、ワイアット。
演じるヒュー・ジャックマン。
彼らは少しずつ友好を温めていくが、
ある日、ヒューの携帯電話を取り違え、
女の声で「今夜は暇?」と電話が入る。
最初は取り間違いとしていたが、ある時、誘いに乗ることに。
そこは企業エリート達が一夜限りの関係をもつ会員制秘密クラブ。
このクラブのルールは4つ。
待ち合わせはホテル。
手荒なことは禁止。
名前、職業は秘密。
合言葉は「今夜は暇?」
ルールがあれば破る者がいるのは常ですが、
少なくともクラブの男に関してはユアンしか出てこないので、
別に白豚変態男が出てくるわけではなく、
またそういった人物がどうやって排除されるのかはわかりません。
ともあれ、前半は女性もいかにもエリートな麗人ばかり。
勿論濡れ場の連続ですが下品になることなく品位が保たれています。
その最たるものが二人目の女、シャーロット・ランプリングが演じる
ジョナサンにクラブの存在意味の教授と
手ほどきをするウォール街の美女。
これこそ大人の女性の余裕。参った。
さて、そんなジョナサンには地下鉄で一目惚れした美女がいた。
名前も知らぬが「S」を象ったアクセサリを身に着けている。
その女がある時、クラブの相手としてやってきた。
風俗に行ったら隣のお姉さんがきた等という安いものではありません。
不器用な男のドラッグのような日々は
ここで全て終わり、一途に「S」を追いかけます。
どうあれ彼女との接点が出来たことに喜んでいると話は急展開。
実はワイアットは腹黒い詐欺師で「S」を誘拐し、
ジョナサンに会社の不正資産を盗んで送金しろと要求してくる。
話の中盤からはこの緊張感溢れるサスペンス仕立て。
さて、サスペンスを数多く見ている人で感の鋭い人は
「S」の正体に薄々気づくでしょうが、本作もご多分に漏れず。
いわゆる彼女も悪女であるわけですが、
敢えて悪女ぶりはシーンとして描きません。
そのおかげでラスト近くからエンディングの展開は
わりとすっと受け入れられます。
これを演じるミシェル・ウィリアムズ
(先頃逝去したヒース・レジャーの妻)
の存在感がやや重みがないけれども、
やはり類似の悪女を演じたニコール・キッドマンぐらい強いとやはり
途中のチャーミングさも終盤の佇まいも出ないでしょう。
ところでこの映画の肝は
クライマックスの送金した金の受け取りのシーンの、
ヒュー・ジャックマンがユアンの役になりすまし、
ユアン・マクレガーがヒューの役になりすますところにあります。
何故そういう展開になるのかはミステリーの楽しみなので
伏せますが、このシーンをやりたいがために映画にした気がします。
ヒューとユアンでは体格も顔つきも全然違いますし、
偽者のウルトラマンか仮面ライダーぐらいに
「似てねえよ!」というレベルですが、
二人が並ぶと妙な美しさとファンタジーとが混在しています。
ともあれヒュー・ジャックマンとユアン・マクレガーの演技合戦の面白さ、
全体を統一する品性のレベルは悪くなく質は良いと思います。
それにしても仕事と出世に集中するべく
欲求だけを満たすために男女の仲も
一夜限り後腐れ無しの会員制クラブで合理的に済まそうとは、
なんともいやはやな話ではないでしょうか。
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