あの日見た君2008年02月14日 23時23分23秒

こちらの画像は霞城公園に建つ最上義光公の騎馬像。
寒空の下でも勇ましく建っております。

公園の中には美術館や博物館が建っていますが、
隣の家の垣根はよく見えるというか、
どこへ行っても美術館・博物館は宮城のそれよりも立派に見えます。
仙台は文化的な目利きが弱いと言いますからな。

さて鑑賞作品の2本目は19:15頃から始まり20:30頃まで。
やや遅い時間となりますが、作品は「遭難フリーター」。
聞くだに寒々とした気分になります。

<物語>
仙台から東京を夢見て埼玉に出てきた青年。
工場系労働派遣会社に登録し、某メーカーの製造工場で働くフリーター。
正社員ではないことに不安を抱きつつ、
毎日の仕事と生活をやりぬくことに忙殺され過ぎ行く日々。
ナントカしないと、と思いつつもなんともできない、
悶々としたフリーターの一年を追う。


自分はこんなところにいつまでもいたくない。
でも、就職活動をやろうとしてもどうやったいいか分からない。
同族と括られるフリーターは将来について「別にどうでもいい」とのたまう。
仲間と顔をあわせれば仕事の愚痴ばかり。
で、いつの間にか辞めて行く者もいる。
なんとかしたいけどお金が無い。とりあえず働く。
その繰返し。休日も不安から完全には抜け出せない。
いつも頭の中に目の前に、うっすら霧がかかったような日々。

我々はどこへ行くのか。我々は何者なのか。
って、この引用は違う。

なんてことはない。この青年は数年前の私でした。


今大変なことになっている某アルバイト派遣会社の紹介で
携帯電話やらデジカメの部品を作っていた頃は全くこの青年状態でした。
ただ救いは実家にいるので家賃は安く上がること。
何よりの救いは映画という楽しみがあったこと。

無論、趣味の楽しみは前者の家賃が抑えられていたことが
影響しているものの、この青年は大した夢も趣味も無い。
とりあえずお金が欲しく、とりあえず東京や正社員への漠然とした
憧れだけで動いている、いや動かされている、というより踊らされている。
お金は無いけれどもお金第一。ヒルズの魍魎と同じ。

この青年、ひょんなことからサンプル・フリーターとして
メディアへ露出することとなるのですが、それも長くは続かない。
フリーターの代名詞として記号となり、
悲劇のヒーローとなるのが嫌だったようです。
勿体ない話。というよりそれは自惚れ過ぎではなかろうか。
結局のところ、威勢の言いことを言いながらも
いざというとき保身にまわるタイプで、小さい考え方なのだ。


このみみっちいタイプがフリーターの大部分。
私だってかつてこの青年だったし、
いざという時の度胸が据わらないのは今でもそう。
でも、昔ほど目の前の霧は濃くは無い。
別に明るい希望ができたわけではないのだけれど。
いつからなのだろう?あの言いようのない不安を意識しなくなったのは。

というより仕事がある日はそれに忙しく、
休みはほぼ90%は映画脳になっているものだから、
それ以外のことを考えないうちに
いつの間にやら不安も忘れたのかもしれない。

なんとかなるんじゃないの?
全然大丈部!
いや、それは来月の映画の話。

とにかく不安を忘れるくらい夢中になれるもの見つけたらどうか?
それこそ「潜水艦」を作るとかね!!

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