果て無き疾走2008年02月04日 23時45分24秒

今日は休日でしたが久々という感じ。
たった4日間勤務ですが長かったように思えます。
昨日など若干早上がりしたにも関わらずどっと疲れた気分でした。
おかげで久しぶりに10時半まで寝ていました。

もちろん起きた後は映画でしたが。
今日は一本で止めておきました。
でも、また世界の鉱石展にいって勾玉6個を買ってきましたよ。
カスタマイズして首からさげようと思います。

さて今日は「28週後・・・」の話。

<物語>
人間を凶暴化させ、他の者をゾンビのように襲い殺す、
強力な感染力を持ち、発症までの期間が極めて短い、
最悪のウィルス「レイジ・ウィルス」。
発生から「28日後」にはイギリスは壊滅。
11週間後にアメリカ軍が事態の鎮圧に乗り出し、
18週間後にウィルスは感染者の全滅とともに壊滅。
24週間後にイギリスの復興が始まった。
そして、国外脱出者が帰還した後の「28週後・・・・」。


「28日後・・・」の続編として「28週後・・・」が制作される、
そう聞いた時は実に複雑な心境でした。

「28日後・・・」とは前述のウィルスにより発症者の蠢くイギリスで、
病院で眠り続けていたために緊急事態を知らない男が目覚め、
生存者とともに感染者から逃げ回るという作品で、
「トレイン・スポッティング」「シャロウ・グレイヴ」で注目を集めた
イギリスの鬼才ダニー・ボイルがハリウッドで今ひとつ振るわずに、
本国に戻り華麗なる復活を遂げた秀作。
まあ、そんな監督の経歴は知らずとも病み付きになる作品であります。


そんなお気に入りの作品の続編は嬉しいとともに不安でもあります。
しかもホラーの続編(厳密にはホラーに括るのは安易ですが)。
「グミ・チョコレート・パイン」のヒロインの
「ホラー映画の続編は何故コメディ化するか」という考察ではないが、
2作目以降は間違っても見てはいけない、というシリーズは多い。
(それはそれで、別の方面での話のネタになるので有難くもある)

それにどんな意図があるか知らぬがダニー・ボイルは製作に回っている。
前回の監督が製作に回るとスケールダウンする例もある。
なにせ、タイトルからして「28週後・・・」。安易ではないか?
次は「28月後・・・」か?

などとヤらしい勘繰りをしながらも観てみたいと。
そして観ました。良かった!

そこには正に「28日後・・・」の世界として「28週後・・・」がありました。
冒頭の逆光を強くした映像、妙にセンチメンタルなBGM。
本当に追われる様な、先の見えない疾走感。
実はダニー・ボイルがメガホンをとったのでは?と思ったぐらい、
フレスナディージョはエッセンスを継承していました。
(彼の「10億分の1の男」も是非観ていただきたい。)

「28日後・・・」は主人公と仲間達が軍の野営地に転がりこむところで
安堵するも、その軍が強権体制に目覚めつつあり、
最後は主人公と軍が反目するという、軍への不信感がドラマの一つでした。

今回はアメリカ軍が戒厳令体制でイギリスの安全を守っているも、
新たな感染者の登場により、パニックに陥る生存者と、
その2者の区別がつかなくなり止むを得ず、
動くもの全てを抹殺、遂にナパームやガスで焼き尽くす手段にでます。

なんでもイラク情勢に結びつけるのは安易ですが、
現在のイギリスでは「大統領暗殺」等に観られるような、
アメリカへの不審が一部で見受けられます。

その中で今回の主人公達が味方の銃弾を掻い潜りながら、
「免疫者」である少年少女を守りながら脱出を目指す、
というのが今回の見所です。


ですが、「28日後・・・」「28週後・・・」のある種の麻薬性は、
観ているときの例えようもない焦燥感や不安感にあります。
そこが先日の廃墟&ウィルス&ミュータントという
よく似た設定を持ちながら中毒性と重厚感にいまひとつ欠ける
「アイ・アム・レジェンド」を初めとするアメリカ映画との差だと思います。
(アイ・アム・レジェンドは別の面で評価される作品ではありますが。)

コイツはなんとかしてくれる、そんな人間は誰も出てきません。
希望である、免疫を持った姉弟が生き残った後でさえ不安は消えず
「28日後・・・」。

素晴らしい。
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