ホワイトベース2006年07月08日 23時46分09秒

土曜日曜だというのに仕事です。年中無休の職場ですから。
しかも、これから先しばらく夜勤よりの体制なので、
21時終了とか24時終了なのです。
その代わり出勤時間も遅くなりますけどね。

そんなわけで休みは貴重なのですが、
気をつけないととんでもないアクシデントがございます。

先日、「不撓不屈」を見に富谷109シネマに行く道中のことです。
実は当初は「不撓不屈」ではなく「トリック2」を観に行く予定だったのです。
でも、ちょっとタイムリミットがギリギリだったのですね。
車をばひゅーんと飛ばしたときのことです。


白いヤツに止められました。


無論、連邦のガンダムではありません。


キップ切られました(泣)。
それも後方の白いアイツに気づかずにスピードを出しすぎたという、
自爆以外の何者でもない状況ですな。
言い逃れはもちろんできません。
当然、「トリック2」に間に合うチャンスなど、粉微塵です。
ああ、やっぱり出発前にトイレに行っておけばよかった。

まあ、事故を起こしたとか破損したとかになる前にくらった、
高い授業料だと、瞬時に思うことにしましたよ。

ところで今、スピード違反って幾ら罰金かかるか知っています?

15000円です。
ホントに高い授業料だよ!映画15本分だよ!

ホントに、以後気をつけます。
白バイの方が良い人だったのが救いです。

映画の方は上映開始時刻の関係で「不撓不屈」に変更。
でも、「トリック2」より遥かに観てよかったと思いましたよ。
おかげで良い映画は見られましたけど、
スピードの出しすぎには気をつけましょう。

歓喜の歌2006年07月11日 23時39分10秒

松平健、ブルーノ・ガンツ共演の「バルトの楽園」です。

日独のスター共演、という形ですが、
どちらかと言えば、所員と捕虜、町の皆さん
全てが主役の群衆劇、そしてなにより、第九が主役であります。


寝食を共にすれば互いのことがよく見えてくると言います。

かつて日本内で不遇を受けた会津人の困難を胸に刻んだ松江所長が、
同様に困難な状況にあるドイツ捕虜達を寛容に受けいれる。
やはり、と思うエピソードですが、同じような目にあっていても
いざその気持ちを先ほどまで銃弾を撃ちあった異なる民族に向けられるか、
と考えると、それ以前に松江所長の精神性の高さが感じられます。

それに対し第九の歌を感謝の意として贈ったことは間違いないでしょう、
しかし、第九は平和の祈りの歌でもあります。
互いの戦争が終結したとき平和の歌を贈るのは奇跡でしょう。
坂東収容所で松江のもとで保護された彼らだからこそ、
芽生えた想いであり、ドイツ本国では消沈していたはずです。

ですが少なくとも坂東から帰還したドイツ人達がおり、
その何人かは日本での体験を語り継いだのです。
後に二つの国は第2次大戦での同盟があるのですが、
その少し前に心を結んだ盟友達が生まれていたことは素晴らしい。

この話で重要なことは戦争状態にあった者同士の間で
友情が敬意が生まれた、ということだと思います。

誰が起こす戦争なのか。しかし、実際に戦う兵達が
殺しあうこともすれば友人になることも出来るのです。
このキナ臭い現代に過去から問いかける、
可能性の一つではないでしょうか。

今年の年末は第九を聴いて終わりたい、そんな気になりました。

秘境に生きる2006年07月12日 23時40分16秒

今日の作品は中国奥地の秘境・ココシリで密猟者と戦う
有志の山岳パトロール隊の生き様を
実話を基にして描いた映画「ココシリ」です。


中国青海省チベット高原の秘境ココシリ。
山岳」パトロール隊の隊員がチベットカモシカの密猟者に殺されたという
事件を追うため、ジャーナリストのガイは単身現地に向う。
隊員達とともに原野を走り犯人を捕まえ、密猟の黒幕と毛皮の
取引ルートを暴こうとジャーナリスト魂に燃えていた彼を待っていたのは
自然の脅威と過酷な現実であった・・・・。

ココシリのデータ:
中国青海省チベット高原、海抜4700Mの無人地帯。
ここに生息するチベットカモシカの毛皮は高級毛織物「シャトゥーシュ」
の原料となるため、密猟が横行した。
20年の間に100万頭が1万頭に減少し、
有志の山岳パトロール隊が結成された。


巨大な黒幕を想像する私たちに、
事件の真相は意外な人々によって語られます。
金も物資も無い、人手も足りない中で戦い続けた隊員達と対面した
犯人達もまた同様の事情を抱えていたわけです。
そこは中国の果ての地であり、チベット高原という微妙な地区。
厳しい自然だけではなく、複雑に揺れ動く場所でもあります。
中国辺境での特に国境や自治区付近のことは言うまでもありませんが、
政府の方で早いうちにもっと援助があれば、と思わざるを得ません。

自然の中で生きることが全員を強くするわけではない、
自然の中に入り込んだ文明が小さな影響を与えて蝕んでいく。
砂嵐やブリザードの中に耐える彼らにさらに経済的困窮が被さる。
パトロール隊も密猟者も生きるために戦っているのです。


その厳しい現実の中で生き抜いている彼らの力の源。
ヒントのようなものがあちこちに散りばめられています。
原野に捨てられた、乱獲されたチベットカモシカの死体、
その全てを供養し祈りを捧げる隊員たち。
捕らえた犯人達をやむ得ず極寒の原野に放つときに贈る、
「御加護を」という不思議な言葉。
その端々に彼らの宗教観、大地と人間への敬意が感じられます。

正義などではなく先祖と神々くれた遺産を守るための無給の戦い。
それは文明と自然の戦いでもあるのかもしれません。

何か、ネイティブアメリカンの神話にも似た様な、
原始の人間ドラマにも感じられる作品なのです。
これが現地ロケだと言うのだから凄いです。
役者の演技でも監督の演出でもなく、
もはやそこに生きる人になっているくらいの力強さを感じました。
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