鋼の結晶体2008年09月11日 23時21分21秒

ああ、「ダークナイト」がいよいよ終わってしまいます。

監督は前作と同じクリストファー・ノーラン(メメント等)。
そして主演クリスチャン・ベイル、以下、マイケル・ケイン
ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマンが続投。
ジョーカー役にヒース・レジャー、
そしてもう1人の悪役トゥーフェイスにはアーロン・エッカート。
ちなみに、ヒロインはマギー・ギレンホールにバトンタッチ。

前作「バットマン・ビギンズ」もベテランの技が冴えた秀作でしたが、
今回はそれを遥かに越え、この演技の匠達はどこまで
進化できるのであろうかと恐ろしく思えます。
マイケル・ケイン、モーガン・フリーマンの
ユーモアの語り口は本作においても絶好調。


物語は前作の終わりからそう遠くない時間。
何しろ、ビギンズのラストにジョーカーのカードが
ゲイリー・オールドマンより提示され、
既に警察がその存在を追っていることが判明しているのです。
バットマンを倒すため、マフィアが雇った狂気の男ジョーカー。
彼はバットマンの正体を賭けて様々なゲームを仕掛けます。
そこで勇敢なるハービー・デント検事が登場し、
バットマンに代わる光の騎士と称されるのですが、
ジョーカーの罠にかかり人格が豹変、
ハービーは悪のトゥーフェイスとなっていきます。

二人の悪役を存分に活躍させるため、
時間の尺は152分と長めにとられていますが、
それにも増して役者の演技と特殊演出がギッシリと詰まり、
鑑賞の印象は倍以上の密度となっております。

ヒース・レジャーのジョーカーは想像以上に凄い。
ジョーカーを演じるために経験を重ねてきたような
ジャック・ニコルソンを越えられる役者など現れるわけがないと、
そんな信仰は一瞬で覆り、ただただヒースの演技に畏怖するばかり。
いや、あれはもう演技という言葉すら陳腐に変える。
ジョーカーという現実に存在する男を連れてきたかのような錯覚。
彼がこの撮影後、突然この世を去ったことによる、
あたかもジェームズ・ディーンやリバー・フェニックスを
重ねようとするかのような神格化意識を極力差し引いたとしても、
文句のつけようがない、最高のジョーカーです。

そしてアーロンのハービー/トゥーフェイスも負けてはいません。
アーロンは近作では「サンキュー・スモーキング」での
口がよく回る煙草宣伝マンを演じた芸立者ですが、
過去にトミー・リー・ジョーンズが演じた時よりも、
崩れた顔は目を歯を理科室の人体標本のように剥き出しになり、
外見的にも光の騎士の顔と闇の顔の対比を強調、
アーロンにより内面からの二面性も滲ませています。

そんな彼らに負けずと存在感を印象付ける
注目して欲しい役者が、冒頭、ジョーカーが襲った銀行で
不屈の抵抗を試みる支店長役のウィリアム・フィクナー。
今ではなんと言っても「プリズン・ブレイク/シーズン2」で
マイケル達を執拗に追う、「逃亡者」のジェラード警部を
彷彿させるような狼の眼を持ったFBI捜査官マホーン役が有名。
その彼がほとんどマホーンのような鋭さで演じているのが嬉しい。
ちなみに、クリスチャン・ベイルとは傑作SF「リベリオン」で共演。

ただ、俳優の演技も凄いものの、聞けば実際に実機として
走行可能なバットモービル&バットポッドを製作し、
トレーラーの垂直転(?)シーンは本当にひっくり返し、
高層ビルの天辺にはクリス本人が立ったと言うではないですか。
そんな拘りすぎてクレイジーな本物志向もまた、
本作を鋼のような重厚な作品へと仕上げたのでしょう。


日本での興収は10億~20億円になると推定されていますが、
アメリカ本国ではそれを遥かに越える5億ドル以上となる見通し。
円じゃないですよ、ドルですよドル。
これまでのアメリカの興収は「タイタニック」が6億ドルで不倒の記録
なのだそうで、どれだけ凄いかはわかるかと。

もちろん続編を制作する企画は既にあるようですが、
当のノーランはやりつくした感が強いようでまだ先は長そう。
なお、根拠の無い噂レベルですが、次回作には
リドラーとペンギン(動物じゃないよ)が登場し、
それぞれジョニー・デップとフィリップ・シーモア・ホフマンに打診とか。
いやいや、実現したらそれこそ他に類を見ない
豪華なヒーロー映画となりそう。


クリスチャン・ベイルはこの後、「ターミネーター4」が待機。
演じる役はジョン・コナー。
先頃、映画館で予告編が上映されていました。
それによると日本上映は2009年6月。
シュワちゃんは出ないそうですが楽しみ。
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