地べたのハードボイルド ― 2007年12月23日 23時51分46秒
昨日は職場内で最も仲が良い、
随一の結束力を誇るとウワサのウチの部署の忘年会。
場所は仙台駅東口ビビの「長寿韓酒房」(だっただろうか?)。
韓国料理の店というものに入ったのは実は初めて。
まあ、日本風居酒屋にかなり近い雰囲気ですが。
一般に辛さに注目される韓国料理ですが、
私の標準の辛さの2ランクぐらい上というところでしょうか。
「お冷」の注文が多いというが象徴しているかも。
最初はちょっと辛さがきつかったけれど段々慣れるもので、
寒い身体もすっかりホカホカになりましたよ。
会話も興がのって実に楽しい飲み会でした。
やはり友好を温めるは食と酒を共にすることを抜きにはできません。
そんな翌日と明日は休みの連休。
クリスマスイブに連休です。でも一人身です。
相変わらず普通の休みと同様、映画三昧で終了です。
映画が恋人というにもちょっと寒いですな。
ではそんな気分にアウトローな映画
「酔いどれ詩人になる前に」で始めてみましょう。
自称「詩人」の主人公:ヘンリー・チナスキー。
詩や小説を書いては出版社へ送るも芽は出ず、
複数の職を転々としながらその場しのぎを続ける日々。
バーで出会った女、ジャンと暮らし始め、
酒とセックスがほとんどの享楽的生活を送っている。
競馬で大もうけするとジャンは離れ、
チナスキーは別の女と暮らし、それも直ぐに一人になる。
満たされぬ日々、でも書くことは止めない。
アメリカ文学の異端児、といっても文学を堅苦しいものと考えれば、
そもそも文学とも作家の枠に入らないのではないだろうか?
チャールズ・ブコウスキーの作家修行時代を描いた
自伝小説の映画化であります。
チナスキー演じるはマッド・ディロン。
マッド・ディモンとよく似た名前のこの男(ディロンの方が先輩ですが)、
男臭さ溢れる役を演じたら天下一品になってきたように思います。
もとから体格がいいのでそういう意味では以前から男臭くはあったものの、
今回は情けなさや子供っぽさやロマンチストな面が溢れる、
たまらなく愛すべき「しょうがない男」なのです。
男にとっては憧れや尊敬というよりも
気の合う友人のような親しみやすい存在に近いです。
かといって一緒に馬鹿をやるような関係でもない、
戦友と呼ぶほどの固い結束でもない。
酒を酌み交わし煙草の煙に撒かれながら、
自然に短い言葉を交わす、そんな雰囲気を醸し出す人。
ラストシーンの路肩で黒人と言葉を交わすシーンがたまらない。
そしてまた互いに街に消えていく。
痺れます。地べたのハードボイルド。
酒と女とギャンブルと言えば「リービング・ラスベガス」を思い浮かべますが、
あれがただひたすらに下へ下へ向っているような、
まさに「落ちる」あるいは「堕ちる」雰囲気を溢れさせていたのに比べ、
本作は底を這い回りながらも目線は光の差す方向へ向っています。
暑苦しいほどの勢いも無く、鬱陶しいほどの空虚でもない。
あっけらかんとしているでもなく、哲学的内向的思想の塊でもない。
かといって普通の人間かというと不思議な魅力に満ちている。
なんとも言い難いがとにかく、いい男なのです。
イケメンやチョイ悪だけがいい男ではないのですよ。
日の当たらぬ男に乾杯だ!
随一の結束力を誇るとウワサのウチの部署の忘年会。
場所は仙台駅東口ビビの「長寿韓酒房」(だっただろうか?)。
韓国料理の店というものに入ったのは実は初めて。
まあ、日本風居酒屋にかなり近い雰囲気ですが。
一般に辛さに注目される韓国料理ですが、
私の標準の辛さの2ランクぐらい上というところでしょうか。
「お冷」の注文が多いというが象徴しているかも。
最初はちょっと辛さがきつかったけれど段々慣れるもので、
寒い身体もすっかりホカホカになりましたよ。
会話も興がのって実に楽しい飲み会でした。
やはり友好を温めるは食と酒を共にすることを抜きにはできません。
そんな翌日と明日は休みの連休。
クリスマスイブに連休です。でも一人身です。
相変わらず普通の休みと同様、映画三昧で終了です。
映画が恋人というにもちょっと寒いですな。
ではそんな気分にアウトローな映画
「酔いどれ詩人になる前に」で始めてみましょう。
自称「詩人」の主人公:ヘンリー・チナスキー。
詩や小説を書いては出版社へ送るも芽は出ず、
複数の職を転々としながらその場しのぎを続ける日々。
バーで出会った女、ジャンと暮らし始め、
酒とセックスがほとんどの享楽的生活を送っている。
競馬で大もうけするとジャンは離れ、
チナスキーは別の女と暮らし、それも直ぐに一人になる。
満たされぬ日々、でも書くことは止めない。
アメリカ文学の異端児、といっても文学を堅苦しいものと考えれば、
そもそも文学とも作家の枠に入らないのではないだろうか?
チャールズ・ブコウスキーの作家修行時代を描いた
自伝小説の映画化であります。
チナスキー演じるはマッド・ディロン。
マッド・ディモンとよく似た名前のこの男(ディロンの方が先輩ですが)、
男臭さ溢れる役を演じたら天下一品になってきたように思います。
もとから体格がいいのでそういう意味では以前から男臭くはあったものの、
今回は情けなさや子供っぽさやロマンチストな面が溢れる、
たまらなく愛すべき「しょうがない男」なのです。
男にとっては憧れや尊敬というよりも
気の合う友人のような親しみやすい存在に近いです。
かといって一緒に馬鹿をやるような関係でもない、
戦友と呼ぶほどの固い結束でもない。
酒を酌み交わし煙草の煙に撒かれながら、
自然に短い言葉を交わす、そんな雰囲気を醸し出す人。
ラストシーンの路肩で黒人と言葉を交わすシーンがたまらない。
そしてまた互いに街に消えていく。
痺れます。地べたのハードボイルド。
酒と女とギャンブルと言えば「リービング・ラスベガス」を思い浮かべますが、
あれがただひたすらに下へ下へ向っているような、
まさに「落ちる」あるいは「堕ちる」雰囲気を溢れさせていたのに比べ、
本作は底を這い回りながらも目線は光の差す方向へ向っています。
暑苦しいほどの勢いも無く、鬱陶しいほどの空虚でもない。
あっけらかんとしているでもなく、哲学的内向的思想の塊でもない。
かといって普通の人間かというと不思議な魅力に満ちている。
なんとも言い難いがとにかく、いい男なのです。
イケメンやチョイ悪だけがいい男ではないのですよ。
日の当たらぬ男に乾杯だ!
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