軌跡、終着、出発 ― 2006年05月07日 21時50分50秒
先日の「ブロークン・フラワーズ」のジム・ジャームッシュに続き、
この人の監督作を同時期に見られることは至福であります。
「ベルリン天使の詩」「ブエナ・ビスタ・ソシエル・クラブ」の監督
ヴィム・ヴェンダース最新作「アメリカ、家族のいる風景」です。
この監督の20年前の作品「パリ・テキサス」でコンビを組んだ
サム・シェパード(劇作家・俳優)との再度のタッグ作。
盛りを過ぎてスキャンダルに塗れる映画スター・ハワードが、
映画の撮影中に逃亡。30年ぶりに故郷の母の元へ帰った彼は、
20数年前にある女性から彼の子供を生んだことを聞いた、と聞かされる。
混乱と逃避に揺れる彼は突然存在を知った子供を探す旅に出た。
ヴェンダースという監督はアメリカとドイツを行き来しながら
作品を撮り続けていますが、主にアメリカを見つめていると
言われています。
それも、大都会の高層ビル群ではなく大地が広がる風景です。
今回の作品もまさにそれで、いきなり荒野から始まります。
アメリカを見つめる、という指摘に沿うならば、
息子を探す旅はアメリカという国の子供を探すこと、
監督のルーツと軌跡と終着、出発点を重ねているように感じます。
アメリカは追われた国、欧州から後発的に生まれた国でもあります。
それがアメリカの仲間を作る、世界を米国色に染めていくことを
潜在的に求める傾向を生んでいると言われています。
若い頃にスターとして栄光を手にし、女性の遍歴もさかんであった
ハワードも老いて世間からバッシングされるようになった、
それはアメリカという国の過去から未来を
一人のキャラクターに集約したように思えます。
そして、その彼から生まれた子供。子供達。
彼らはいきなり現れた父親に戸惑います。
アメリカは自分の遺伝子をあちこちに落としながら、
その子供達との絆は強く結ばれているかは疑問です。
監督のコメントからは「アメリカとの決別」「新たな出発」という
キーワードが窺えます。自分のやってきたこと、その到達点、
息子・娘との再会と暖かな結末は答えを見つけたのではないでしょうか。
というのは少々、作品の外側からの考察ですが、
老年の父親と若い子供達との再会がすっと心に入ってきます。
重いイメージは全く無く、穏やかな陽光と青空が印象的です。
なんといっても娘役のサラ・ポーリーの眼差しが美しい。
「死ぬまでにしたい10のこと」で主演した女優さんですが、
ジーンズがよく似合い、ブロンドが爽やかな風に揺れます。
これだけで観てよかったと言って良い(笑)。
ところで、先のジャームッシュとヴェンダース。
この最新作には奇妙な附合があるように感じます。
両方とも「突然知った息子を探す老年の男が主人公」ということ、
そして両監督とも原点や軌跡、難しく考えた過去から
素直に見つめた現在そして未来、ということを匂わせている点です。
お二方ともにキャリアと年齢が、今までを振り返る時期になり、
ジャームッシュは息子を見つけず、ヴェンダースは再会し和解する
ラストをそれぞれ描いた。息子=これまでの結晶?
二人の出した答えが以降の作品にどう関わってくるか、
わくわくするところでございます。
さてさて、明日からいよいよ新しい職場の研修開始です。
ちょっと緊張気味です。あまり良い夢みられませんよ。
この人の監督作を同時期に見られることは至福であります。
「ベルリン天使の詩」「ブエナ・ビスタ・ソシエル・クラブ」の監督
ヴィム・ヴェンダース最新作「アメリカ、家族のいる風景」です。
この監督の20年前の作品「パリ・テキサス」でコンビを組んだ
サム・シェパード(劇作家・俳優)との再度のタッグ作。
盛りを過ぎてスキャンダルに塗れる映画スター・ハワードが、
映画の撮影中に逃亡。30年ぶりに故郷の母の元へ帰った彼は、
20数年前にある女性から彼の子供を生んだことを聞いた、と聞かされる。
混乱と逃避に揺れる彼は突然存在を知った子供を探す旅に出た。
ヴェンダースという監督はアメリカとドイツを行き来しながら
作品を撮り続けていますが、主にアメリカを見つめていると
言われています。
それも、大都会の高層ビル群ではなく大地が広がる風景です。
今回の作品もまさにそれで、いきなり荒野から始まります。
アメリカを見つめる、という指摘に沿うならば、
息子を探す旅はアメリカという国の子供を探すこと、
監督のルーツと軌跡と終着、出発点を重ねているように感じます。
アメリカは追われた国、欧州から後発的に生まれた国でもあります。
それがアメリカの仲間を作る、世界を米国色に染めていくことを
潜在的に求める傾向を生んでいると言われています。
若い頃にスターとして栄光を手にし、女性の遍歴もさかんであった
ハワードも老いて世間からバッシングされるようになった、
それはアメリカという国の過去から未来を
一人のキャラクターに集約したように思えます。
そして、その彼から生まれた子供。子供達。
彼らはいきなり現れた父親に戸惑います。
アメリカは自分の遺伝子をあちこちに落としながら、
その子供達との絆は強く結ばれているかは疑問です。
監督のコメントからは「アメリカとの決別」「新たな出発」という
キーワードが窺えます。自分のやってきたこと、その到達点、
息子・娘との再会と暖かな結末は答えを見つけたのではないでしょうか。
というのは少々、作品の外側からの考察ですが、
老年の父親と若い子供達との再会がすっと心に入ってきます。
重いイメージは全く無く、穏やかな陽光と青空が印象的です。
なんといっても娘役のサラ・ポーリーの眼差しが美しい。
「死ぬまでにしたい10のこと」で主演した女優さんですが、
ジーンズがよく似合い、ブロンドが爽やかな風に揺れます。
これだけで観てよかったと言って良い(笑)。
ところで、先のジャームッシュとヴェンダース。
この最新作には奇妙な附合があるように感じます。
両方とも「突然知った息子を探す老年の男が主人公」ということ、
そして両監督とも原点や軌跡、難しく考えた過去から
素直に見つめた現在そして未来、ということを匂わせている点です。
お二方ともにキャリアと年齢が、今までを振り返る時期になり、
ジャームッシュは息子を見つけず、ヴェンダースは再会し和解する
ラストをそれぞれ描いた。息子=これまでの結晶?
二人の出した答えが以降の作品にどう関わってくるか、
わくわくするところでございます。
さてさて、明日からいよいよ新しい職場の研修開始です。
ちょっと緊張気味です。あまり良い夢みられませんよ。

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