昭和の魂、ここに復活 ― 2008年08月04日 23時49分42秒
「ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発」。
現在仙台で鑑賞できる中では異色作品に入ります。
なんといっても監督は河崎実。
「日本以外全部沈没」「いかレスラー」「コアラ課長」「ヅラ刑事」
数々の珍映画を生み出した著しく個性的すぎる監督。
それだけに期待は十分。もちろん変な方向で。
なお、「ギララ」というのは1960年代の怪獣特撮ブーム期に、
東宝がゴジラ、大映がガメラなど次々に生産する中、
松竹が唯一製作した怪獣映画「宇宙大怪獣ギララ」であります。
それをどうやったかしらぬが、河崎実が復活させることとなった。
とはいえ、オリジナルを知らぬとも十分に楽しめます。
私も旧作は観たことがありません。
<物語>
2008年、洞爺湖サミットが開催され、G8首脳が一同に介した。
環境問題について話し合われるはずであったが、
突如、札幌に隕石が落下、そこから大怪獣ギララが現れた!
G8首脳が各国の威信をかけて発案した作戦は悉く失敗し、
ギララによる地球滅亡の危機は刻一刻と迫る。
当初、サミットの取材に来ていたスポーツ紙記者のすみれと
カメラマンの三平は洞爺湖の畔で神社の前で
奇妙な踊りを踊る村人の一団と遭遇する。
彼らは土地の守り神「タケ魔神」を信仰し祈りを捧げていた。
そして古来から伝わる古文書には
ギララ襲来する時、タケ魔神が降臨し世を救うと予言されていた!
そして地球のピンチにすみれの叫びが木魂するとき、
神社に祭られた像が巨大化し、タケ魔神が現れた!!
以上が大体の話の筋であり、とんでもない話であるものの、
昭和の特撮への偏愛に満ちた素晴らしい作品です。
(こんなに河崎実を誉めたことはありません)
様々な分野に存在するマニアの中でも、
「クソ」という言葉を憎悪を込めて発する者と、
逆にカワイイ奴と言う様な愛情を込める者に
分かれることがありますが、河崎監督は間違いなく後者。
単にオマージュ&パロディで終わらず、
オリジナルの問題点すらも肯定した表現を見せている。
このために時には元ネタを凌駕するパワーが出ることも。
それは作品の劣化や酷い目にあった思い出さえも愛着として肯定する
タランティーノの嗜好にも似ていると思います。(言いすぎ)
そして今作は過去の特撮への偏愛にさらに
かつて成立したパロディをまたパロディしたと感じる二重構造を造り、
そこに自身のギャグをも見せる三位一体構成(誇張)。
タイトルからして「逆襲」です。
「逆襲」と付けずして2作目以降を名乗るなかれ。
なお、「危機一発」は水野晴郎の有名エピソードより。
主人公が新聞記者、という設定もゴジラシリーズの数本や、
「ウルトラQ」等の昭和特撮の基本中の基本。
数々立案される作戦も「機動警察パトレイバー/4億5千万年の罠」でも
有名なパロディとなっている怪獣作品の定番。
そして希望の使者の復活に欠かせないのは
少年の一途な思いと女の子の涙(加藤夏樹が熱演!)
音楽も素晴らしく昭和特撮調。
公式サイトで一部が聴けるので、是非聴いて欲しいです。
このテーマ曲に乗せてスタッフ&キャストクレジットが流れる
オープニングは笑いと涙で霞んで見える(また誇張)。
そしてキャストには黒部進を初め、特撮の御大が並ぶ!
そしてパロディのパロディとはタケ魔神にほかならぬ。
タケ魔神とはあの世界のキタノ、もといビートたけしが演じる、
不動明王をモチーフにした黄金に輝く鎧に身を包む魔神。
「てめえ、このやろ!」「やりやがったな!」と叫ぶヒーロー、
そしてラストショットは輝く夕日に「ナハ!ナハ!ナハ!」と木魂する。
もはや「オレ達ひょうきん族」のタケちゃんマンの復活であります。
また、ベタベタなギャグも忘れていません。
最初こそ、美しい洞爺湖の自然を写し、「違う!河崎実じゃない」
などと思ったところ、加速度的に悪ノリを開始。
G8に参加した伊部総理、大泉元総理をそれぞれ
ニュースペーパーの福本ヒデが安倍晋三のマネ、
松下アキラが小泉純一郎で演じる様は、
作品設定と河崎演出との相乗効果でコントを越える。
(何故、福田康夫ではなかったかはタイミングの問題か?)
そして「日本以外全部沈没」でも突然の笑いをもたらした、
ジーコ内山の北の独裁者の登場!
そうだよこうだったよな、というノスタルジイを十分に満喫。
バカバカしいのだけれど、最近の綺麗になった特撮が失った、
カメオ出演している、みうらじゅんが言うところの
手作り感がいまここに蘇ったといえるのではないか?
そしてこの面白さはカメオ出演にして最後の出演となった水野晴郎の、
「本当にいいものですね」に混沌をもひっくるめた、
私たちが作品に持った方が何かと楽しい愛情ではないでしょうか。
なお、パンフレットは昔のレコードジャケットを意識した造り。
中にはギララ大図解もあり、このつくりがまた楽しい!
というように小ネタ満載の本作。
ネタが小粒でも怪獣や未知への憧れの愛情が補完する、
そんな少年の日々を思い起こさせた稀少な作品でありました(誇張)。
これこそ私たちの昭和の魂。三丁目の夕日など問題ではない。
「僕たちの好きなウルトラセブン」から引用するならば
昭和は宇宙人と怪獣の時代でもあったのだ。
ところで、河崎実が「南郷勇一」名義で主演した自身の監督作、
珍妙なヒーロー作品「電エース」のDVDが最近になって
TUTAYAレンタルされているので是非鑑賞をお勧め致します。
これを観れば河崎実のトリコです。
それでは「ネチコマ!」(タケ魔神の決めポーズ。ネタは勿論アレ)
現在仙台で鑑賞できる中では異色作品に入ります。
なんといっても監督は河崎実。
「日本以外全部沈没」「いかレスラー」「コアラ課長」「ヅラ刑事」
数々の珍映画を生み出した著しく個性的すぎる監督。
それだけに期待は十分。もちろん変な方向で。
なお、「ギララ」というのは1960年代の怪獣特撮ブーム期に、
東宝がゴジラ、大映がガメラなど次々に生産する中、
松竹が唯一製作した怪獣映画「宇宙大怪獣ギララ」であります。
それをどうやったかしらぬが、河崎実が復活させることとなった。
とはいえ、オリジナルを知らぬとも十分に楽しめます。
私も旧作は観たことがありません。
<物語>
2008年、洞爺湖サミットが開催され、G8首脳が一同に介した。
環境問題について話し合われるはずであったが、
突如、札幌に隕石が落下、そこから大怪獣ギララが現れた!
G8首脳が各国の威信をかけて発案した作戦は悉く失敗し、
ギララによる地球滅亡の危機は刻一刻と迫る。
当初、サミットの取材に来ていたスポーツ紙記者のすみれと
カメラマンの三平は洞爺湖の畔で神社の前で
奇妙な踊りを踊る村人の一団と遭遇する。
彼らは土地の守り神「タケ魔神」を信仰し祈りを捧げていた。
そして古来から伝わる古文書には
ギララ襲来する時、タケ魔神が降臨し世を救うと予言されていた!
そして地球のピンチにすみれの叫びが木魂するとき、
神社に祭られた像が巨大化し、タケ魔神が現れた!!
以上が大体の話の筋であり、とんでもない話であるものの、
昭和の特撮への偏愛に満ちた素晴らしい作品です。
(こんなに河崎実を誉めたことはありません)
様々な分野に存在するマニアの中でも、
「クソ」という言葉を憎悪を込めて発する者と、
逆にカワイイ奴と言う様な愛情を込める者に
分かれることがありますが、河崎監督は間違いなく後者。
単にオマージュ&パロディで終わらず、
オリジナルの問題点すらも肯定した表現を見せている。
このために時には元ネタを凌駕するパワーが出ることも。
それは作品の劣化や酷い目にあった思い出さえも愛着として肯定する
タランティーノの嗜好にも似ていると思います。(言いすぎ)
そして今作は過去の特撮への偏愛にさらに
かつて成立したパロディをまたパロディしたと感じる二重構造を造り、
そこに自身のギャグをも見せる三位一体構成(誇張)。
タイトルからして「逆襲」です。
「逆襲」と付けずして2作目以降を名乗るなかれ。
なお、「危機一発」は水野晴郎の有名エピソードより。
主人公が新聞記者、という設定もゴジラシリーズの数本や、
「ウルトラQ」等の昭和特撮の基本中の基本。
数々立案される作戦も「機動警察パトレイバー/4億5千万年の罠」でも
有名なパロディとなっている怪獣作品の定番。
そして希望の使者の復活に欠かせないのは
少年の一途な思いと女の子の涙(加藤夏樹が熱演!)
音楽も素晴らしく昭和特撮調。
公式サイトで一部が聴けるので、是非聴いて欲しいです。
このテーマ曲に乗せてスタッフ&キャストクレジットが流れる
オープニングは笑いと涙で霞んで見える(また誇張)。
そしてキャストには黒部進を初め、特撮の御大が並ぶ!
そしてパロディのパロディとはタケ魔神にほかならぬ。
タケ魔神とはあの世界のキタノ、もといビートたけしが演じる、
不動明王をモチーフにした黄金に輝く鎧に身を包む魔神。
「てめえ、このやろ!」「やりやがったな!」と叫ぶヒーロー、
そしてラストショットは輝く夕日に「ナハ!ナハ!ナハ!」と木魂する。
もはや「オレ達ひょうきん族」のタケちゃんマンの復活であります。
また、ベタベタなギャグも忘れていません。
最初こそ、美しい洞爺湖の自然を写し、「違う!河崎実じゃない」
などと思ったところ、加速度的に悪ノリを開始。
G8に参加した伊部総理、大泉元総理をそれぞれ
ニュースペーパーの福本ヒデが安倍晋三のマネ、
松下アキラが小泉純一郎で演じる様は、
作品設定と河崎演出との相乗効果でコントを越える。
(何故、福田康夫ではなかったかはタイミングの問題か?)
そして「日本以外全部沈没」でも突然の笑いをもたらした、
ジーコ内山の北の独裁者の登場!
そうだよこうだったよな、というノスタルジイを十分に満喫。
バカバカしいのだけれど、最近の綺麗になった特撮が失った、
カメオ出演している、みうらじゅんが言うところの
手作り感がいまここに蘇ったといえるのではないか?
そしてこの面白さはカメオ出演にして最後の出演となった水野晴郎の、
「本当にいいものですね」に混沌をもひっくるめた、
私たちが作品に持った方が何かと楽しい愛情ではないでしょうか。
なお、パンフレットは昔のレコードジャケットを意識した造り。
中にはギララ大図解もあり、このつくりがまた楽しい!
というように小ネタ満載の本作。
ネタが小粒でも怪獣や未知への憧れの愛情が補完する、
そんな少年の日々を思い起こさせた稀少な作品でありました(誇張)。
これこそ私たちの昭和の魂。三丁目の夕日など問題ではない。
「僕たちの好きなウルトラセブン」から引用するならば
昭和は宇宙人と怪獣の時代でもあったのだ。
ところで、河崎実が「南郷勇一」名義で主演した自身の監督作、
珍妙なヒーロー作品「電エース」のDVDが最近になって
TUTAYAレンタルされているので是非鑑賞をお勧め致します。
これを観れば河崎実のトリコです。
それでは「ネチコマ!」(タケ魔神の決めポーズ。ネタは勿論アレ)

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