戸隠 奥社・九頭龍社を訪ねて ~大人の休日(前編)2010年11月10日 23時20分45秒

拝啓 浅見光彦様。

なんて思って2日目は戸隠を訪れるのですが、よく考えると戸隠伝説殺人事件は、
浅見光彦ではなく信濃のコロンボなわけでして、聖地巡礼ではありませんでした。
なんにせよ、「戸隠に向う」それだけで何やらメンタルが揺さぶられるのであります。

目的は戸隠神社の奥社への参拝とその参道を歩くことです。

戸隠へは高速バスで行くこと、その距離感も
実は長野から戸隠に向うときに初めて気がついたという無頓着ぶり。
午前8時半のバスに乗り、1時間ほどかけて戸隠へ。
往路はご覧の様な山の中に聳え立つ浅川ループラインというルートを通過します。
復路は戸隠バードラインというぐにゃらぐにゃらとした道を通るのですが、
これが日光のいろは坂を思い出すような曲がりっぷりで乗り物酔いさんはご注意。

だんだんと山間の里な雰囲気が出てきました。

こちらは戸隠神社の中社。バスの車窓から眺めるだけ。
本来は周辺の戸隠神社に関わる場所は全て回りたいところなのですが、
これがバスは1時間に1本、徒歩で巡るには遠く、
この日は長野への戻り時間を含めて5時間程度しかないので
レンタカーでもないと回りきれないとなり、今回は奥社だけ行くことにしたのです。
振り返ればずいぶん強行軍だった気がしますね~。

奥社の麓の入り口です。左手に愛、右手に勇気。
もとい、左手は奥社入り口、右手は戸隠忍者の資料館があります。
大きな道路とレストハウス、駐車場があり、
見た目はいかにも観光地化しているように見えます。が、しかし。


奥社の入り口からめざす奥社までは約2キロの道のり。
両脇に細い沢が流れる音を聴き、白い木々に囲まれた道をゆったり行きます。

両脇から植わった木々がトンネルを作り、太陽の光りが差し込む。
横手を見渡せば、いかにも"高原"という風景ですね。
クマでも出そうなと思いますけど観光客が大勢行きかっていて
この辺はまだ賑やかな場所なのであまりご心配なく。

苔生した倒木や朽ちかけた古木が、森の過ごした年月と
ここが生きて生まれ変わっていることを感じさせます。

両脇に杉の木が多くなってくると、朱色の随神門が現れます。
実はこの門がポイントでして。
大人の休日倶楽部で女優の吉永小百合さんがこの随神門の見える戸隠参道で
撮影されている写真が今、注目を集めておるのだそうです。
そんなわけで、ご年配の方々の声に耳を傾けますとサユリストがいっぱい(^^)。
かくいう私の母もそれが目当てでここまではるばる来たのでありました。

■JR東日本 大人の休日倶楽部CM「戸隠篇」
 http://www.jreast.co.jp/otona/tvcm/togakushi.html

門の両脇に鎮座する狛犬。雄々しくも凛々しいですな。

これらの杉は樹齢400年以上だそうです。
それだけの木々が集まれば一本一本に何かが宿っている気すらして、
木の洞や瘤も自然の表情の様に思えてきます。
木々達が身体の奥の霊感的なものを刺激してくる様です。

長い歴史のなかで朽ちる木もあり、生まれる木もあり。
自然の滅びと再生とを感じながら、奥社への道のりはその貌を変えていきます。

後半へ続く。
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