思い出はシネマと共に・・・ ~チネ・ラヴィータ移転2009年07月31日 23時20分13秒

7月31日。
その日の仕事の帰り。夜8時。
私は、仙台東口にいた。

おそらく他の皆はそれぞれに楽しく思い思いに過ごしているが、
私にはそれこそ先日の皆既日食並の想いを籠める用がある。
私は"いきつけ"のカフェ・コクトーの裏の駐車場に車を止め、
コクトー前の路地を歩き、ハーフペニーブリッジの脇へ抜ける。
そして通りの向かいに見えてくるのは、
長年愛して通い詰めた映画館「チネ・ラヴィータ」。

そう、今日この日、「チネ・ラヴィータ」はこの場所から消える。
8月8日から仙台東口BiViの2Fに移転するために、
今日がこの場所での最後の上映となる。

消えて無くなるわけではないけども、
かつてのシネアート時代から続くこの場所からは映画館が消える。
その瞬間に立ち会えるならば、是非とも見届けよう。
新たな旅立ちへの祝いとして、御礼として。

その近辺で夕食をとった私は、いよいよ最後の瞬間に向かう。
この瞬間のために、すべての想いをはらいさって。




この入口を通るのも最後。
上映時刻表が最後の回の上映を示す。
既に隣の「松や」は大分前からありません。


2階入口。
エレベーターもあるけれども、私はここから入るのが好き。
そこから先は安息の空間がひろがります。


閉館記念として記念品、これまでの前売券特典の余りを
頂くことができました。「天使と悪魔」の砂時計や
ポストカードをいただきましたよ。


階段脇の飲食店や語学学校のカード置き場。
ここが、私の秘密の"カフェ情報仕入れ場"(笑)。
ここから色々なお店に行くことができました。

カフェとのコラボレーション企画も続くでしょうから、
新天地でもこのような場所があることを期待します。


この階段を何回上り下りしたことか?

「それでも恋するバルセロナ」の垂れ幕。
こういうのを見るのも楽しみの一つ。

4階の階段の踊り場にあるイス。
2番劇場の休憩所。
一度も座ったことが無かったような・・・。


密かに好んでいた4階待合室。
昔の映画館の通路のような狭さがお気に入りの理由。

4階窓から見える看板。
通りを見下ろす景色もこれが最後。
BiViからはもう見下ろす窓が無いかも。


4階劇場で上映中の「ディアドクター」
このエレベーター内のお知らせも全て思い出深い。

チラシも何枚持って帰ったことか?

最後の上映作品「ディス・イズ・イングランド」。
その感想はまた、次の機会に。
ただ、少年の別れと旅立ちの物語は、
まさに最後の上映に相応しい、そして単館系映画館らしい。

上映前には支配人の挨拶があり、拍手も起こりました。
この日の最後の上映に駆けつけた人々も、
感慨深い表情をそれぞれに浮かべていたように見えます。




上映終了後、支配人にお願いして劇場の中を
撮影させていただきました!!大感謝です!!(感涙)
もう椅子を撤去してしまうとのことで、これが見納め。

ああ、この椅子に座り、何本の映画をみたことだろう。
そこから数えきれないくらいのことを感じていた。
元気も勇気も温もりも、言葉にできないものを沢山。


もう入ることの無い中央ロビー。
映画の予告編のビデオ上映や、映画雑誌の批評の展示などなど、
そして、様々な観客たちの温もりが残る場所。


何回と無く映画のタイトルを告げたカウンターです。
密かに私が応援していた新人さんも立派になり(笑)。
お疲れ様でした。ゆっくりお休みください。


・・・・でですね。

ちょっとしたサプライズがありました。
それについては、後日に。


まあ、とにかく。
私にとっては最高に思い出深いイベントでありました。
本当に、長い間ありがとうございました。




「空気人形」「南極料理人」「路上のソリスト」
「夏時間の庭」「サガン 悲しみよこんにちは」
これらの作品は、移転後に上映する作品。
8月8日の新規オープンを楽しみにしております。
既に仕事の休みはとった!(笑)。

終わりは新たなる始まり。
映画に、乾杯!!
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