はんだらへんだら2006年02月07日 00時50分21秒

先日の2月4日は「立春」でございました。
暦の上で春が始まる日ですな。
そうは言っても、今年は特に信じられませんね、この寒さでは。
でもそもそも春が暖かいもの思い込むことが間違いなのか。


ところで「立春頃には卵が立ちやすくなる」という学説をご存知でしょうか。
底を潰して立てるのではありませんよ。
バスコ・ダ・ガマでしたっけ(オイ)。
時々、小技の天才みたいな人が絶妙なバランスで立てるアレです。

いわゆる今日の画像のような立ち方です。

先日のラジオでこの話題を話していて思い出したのですが、
当然のことながらこの学説はデマです。
何か気温とか湿度とか卵の鮮度とかが立ち易い条件になる、
ということらしいのですが。
結構前に否定されているんですよね。
立てようと思えば1年中いつでも立つわけです。

そんなことを聞いていたら、立てたくなって立てました。
耐震構造は問題無しよ(←違う)。

1分程度で立ちましたよ。
別にどうなるものでもないのですが、立った瞬間はやはり嬉しいですな。
だからこそこうして写真まで撮ったのですから。

人間、小さなことで喜べるものです。
大きな幸運掴むまで小さな喜びで明日を繋ぐのさ。

不器用な現代2006年02月07日 22時47分42秒

こんな雪の休みの日には映画に限るのであります。
彼女もいないし友達少ない人の休日なんてそんなものよ・・・。


期待の大作、高倉健さん主演「単騎、千里を走る」でございます。

大作、と言ってもチャン・イーモウ監督が元々取り続けていた
ミニシアター系のスタイルでありまして、
大きいのは包み込むような深みのある懐、と言いましょうか。

不器用で寡黙で実直、それが古来日本の美徳であった時代、
正に往年の健さんそのものを描ききった映画であります。

しかしカッコイイというよりは、見知らぬ土地にたった一人の不安、
苦手な人付き合いと言葉の壁に戸惑う姿が印象に残ります。
作品内の年齢はおそらく健さんと同年齢の74歳。
74歳の不器用な男が変わるのは並大抵のことではありません。

身一つで未知の土地へ飛び込めば、頼りになるのは自分の心だけ。
突き動かしたのは何十年分溜め込んだ、息子への思い。
村人達と心で接し、訴えたことで自分が柔らかくなっていく。
乾いた粘土が水を吸って柔らかくなるように。

何か、健さんというよりも日本やアジアそのものとダブって見えました。
何十年と自分の生き方を通していった人、国。
それは内に確固たるものを作り出した反面、
柔軟性を無くして外部との接触に弱くなるもの。
お互いに内に篭ったままで触れ合おうとしても、摩擦と誤解を生むばかり。

現代は皆、人付き合いが苦手な人ばかりだと思います。
親子、兄弟、隣人にすら遠慮と抵抗を感じる人達。
そんな自分が情けないと思うならまだまし。
中には周りがいなくともなんとかなる、と開きなおる人もいます。

しかし、心が垣間見えないところに信頼はなく、絆も生まれません。
そんなものなくても、と74歳でも言えれば大した者ですが。
もう少し、周囲と話してみてからでも良いのではないでしょうか。
映画のように、親も子のことを何も知らないこともあるのですから。
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