「第4次スーパーロボット大戦S」 私とスパロボ ~ 新たな扉を開いた声2011年02月25日 23時03分09秒

1996年1月26日。スーパーロボット大戦はいよいよプレイステーションに場を移す。
(この後もSFCで少し展開するのですが。)

「第4次スーパーロボット大戦S」の発売です。


PS全体としては「バイオハザード」の1作目も出ていない時期。
前年1995年でやっと「アーク ザ ラッド」「幻想水滸伝」が出た頃で、
その後の進化を踏まえて振り返ればまだまだ黎明期と言った印象があり、
特にアニメ表現についてはPSはセガサターンに譲ると言われた時代。

アニメゲームでは前年1995年に「機動戦士ガンダム」が発売されていますが、
音声こそアムロやシャアの声があるものの、アニメ画が皆無でポリゴンのみ。
「ときめきメモリアル」や「ポリスノーツ」などの様な喋り捲ったゲームは少なく、
(その存在自体が特別なものでした。)声が出ると謳ったほとんどのゲームは
その総量は僅か数分だったり、OPとラストだけだったりと言った具合。

一方でSSの方ではアニメカット表現がふんだんに盛り込まれた
「機動戦士ガンダム」がPS版と全く異なる表現でヒット。
また美少女ゲームに強い資質を早くも見せていた時期でした。

そんな時期。「第4次S」はSFCの「第4次」に音声を加え、
ステータスなどの調整・追加を行い、リファインとして送りだされる。
ただ、あくまで「第4次」の原型を保った上での再起動版というわけで、
シナリオも大きく変えた「第2次G」とは異なるものです。

今では戦闘シーンに関してフルボイスが当たり前というスパロボですが、
「第4次S」は声が当てられたのは150人以上いる中で僅か37人、
主役級キャラと一部のヒロイン・ライバルが声を授かるに留まり、
敵はもちろんラスボスさえも声は無しというものでした。
(キャスト表が説明書に掲載できる範囲の量しかない。)

それでも、SFC時代からの悲願が叶った当時は興奮したものでした。
売上本数もSFC「第4次」よりも10万本多い48万本と伝えられています。
前述の様に、まだまだアニメ音声がプレミアム感を持っていた時代、
多勢の声優さんが短いながらも何十パターンも声を吹込み、
それもほとんどが主役級の声優さんですから、ちょっとしたお祭りです。

繰り返し言いますが当時は高額なLD-BOXでも買わなければ、
スパロボに登場するアニメも完全な形では見られないものが多かった頃、
昔テレビで聞いた声(注意して聞くと若干違うけれども)が、
まさに"甦る"と感じられたあの感動は、忘れ難い思い出です。

ほとんどシナリオが「第4次」と変わらないということがかえって、
声が付くとこうまでも思い入れが違ってくるものかと。
以降、声の無い作品は時折、"声はなくても"という表現が使われる様になり、
そのことからも音声がこの作品のスタンダードになったことがわかります。


もうひとつ、この「第4次S」に関しての思い出と言えば、
SFC版の「第4次」から当時のTVCMに、
本格的な、オリジナルの歌詞付きの歌が使用されたこと。

後に「出撃!スーパーロボット大戦」(歌:五十嵐寿也)として
正式版がCD化され、CMでは僅かな部分しか流れませんでしたが、
CG化されたロボット達の雄姿のバックに添えられた、
そのまさに集中された熱血的な魂は熱く心を震わせたものです。

また当時の情報雑誌では"あの曲も追加"という記述がされており、
確かに「グレートマジンガー」と「逆襲のシャア」の曲が追加されましたが、
隠し玉(?)として「出撃!スーパーロボット大戦」も密かに盛り込まれたのでした。

PS2以降の時代ではメディア自体が変化したため無くなりましたが、
CD-ROMがゲームメディアに使われ始めたこの頃、
間違って音楽CD再生機でこれを再生しようとすると、
コンポやラジカセに重大な不具合が起きると言われていました。

このため、ゲームのCD-ROMに「再生しても大丈夫な音声」を仕込み、
「これをCDラジカセなどで再生してはいけません」という、
警告メッセージをほとんどのゲームに入れていたものでした。

ところが一部のゲームではこれを逆手に取って遊びを仕込み、
単なる音声警告ではなく、ゲーム出演キャラクターによる、
そのゲーム独自の警告メッセージを流すものも出てきました。
「SDガンダム Gジェネレーション」等は時間も長く内容も凝っています。

そのうち、わざわざ警告メッセージを期待するという、
変な楽しみも生まれる様になってきて、まずはコンポになどという、
本来の目的からは外れた不埒な行いをする者も。それは僕。

そんなわけで「第4次S」でも何か面白いメッセージが聴けるかな、
と思いかけたところ、聞こえてきたのは…。

「出撃!スーパーロボット大戦」!

警告でもないBGMでもない、あの歌がいきなり歌詞から聞こえたときの、
あの僕らが受けた衝撃と笑いと言ったら!

変なところに遊びを入れるヘンなこだわりの姿勢。
いや、遊びだからこ中途半端無しにこだわるべきなのか。
当時だからできた遊びを、今後も、今しかできない遊びを仕込んで頂きたい。

余談ですが、何故か「第4次S」を思い出すときには、
僕は高校の通学の帰り道でバスを待っている瞬間を思い出します。
その時間にファミ通でも読んでいたのでしょうかね?

コメント

_ 高田直哉 ― 2011年03月01日 22時08分05秒

「アーク ザ ラッド」は、私もプレイしたことがあります(続編の「アーク ザ ラッドII」も)。ジャンルはRPG…というよりは「ファイヤーエムブレム」のようなSLGという感じでした。
私がPSと同時に購入したソフトは懐かしさに惹かれ「ナムコミュージアムVOL1」で、その後「ナムコミュージアム」シリーズは全部揃っています。PSで購入したソフトは「ワイルドアームズ」や「ポポロクロイス物語」などのRPGがほとんどで、それ以外では「桃太郎電鉄7」や「電車でGO!」などがあります。PS本体は新宿の量販店(ヨドバシ)で購入しましたが、当時はPS関連のみなぜか定価販売になっていました。その後はPS2も購入、同時購入は「ドラゴンクエストV」と「桃太郎電鉄X(ばってん)」でした。

_ 河永 ― 2011年03月02日 09時38分59秒

>高田直哉さん

僕もPSの頃になるとRPGか、またはAVGしか購入しませんでしたね。
格闘ゲームやアクションが苦手、というのもありますが、
地道に時間さえあればクリアできるゲームをやっていました。
それも今振り返ると続編ものが多いですねー。
「ワイルドアームズ」は口笛や荒野、古代文明など惹かれるものが多く、
あるいは変な隠しボスなど遊びが多くて、1作目から好きなシリーズですね。
1のリメイクまでやりましたが、4と5はまだ積んでます。
最近は据置で作られなくなったのでちょっと寂しいですね。

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