「エクレール/お菓子放浪記」 試写会に行ってきたゾ ~の巻 ― 2011年02月28日 23時50分25秒
宮城県内でロケが行われた映画「エクレール/お菓子放浪記」がとうとう完成です。

「エクレール/お菓子放浪記」は、作家の西村滋氏が書かれた
自伝的小説「お菓子放浪記」(1976年出版)を原作に製作された映画です。
戦中から戦後にかけて食糧難の時代、お菓子を食べることなど滅多にない時代、
その時代を生き抜いてお菓子職人になる主人公の少年時代を描いています。
映像化はこれが初めてではなく、もともとがテレビドラマの台本として書かれ、
1960年頃に「お菓子と私」が完成、その好評を受けおよそ15年かかって出版。
1976年~1977年にはあの木下恵介監督がドラマとして手掛け、
「木下恵介・人間の歌シリーズ」として放送されたとのことです。
1960年頃に「お菓子と私」が完成、その好評を受けおよそ15年かかって出版。
1976年~1977年にはあの木下恵介監督がドラマとして手掛け、
「木下恵介・人間の歌シリーズ」として放送されたとのことです。
戦中戦後当時の風景を求めて福島、北海道、そして宮城県で重点的にロケを開始。
これにともなって宮城県では、本作の製作委員会とともに映画を支える、
映画「エクレール/お菓子放浪記」製作と上映を支える宮城県民の会が設立され、
石巻などロケ各地では応援する会が結成され、炊き出しやエキストラ参加など
様々な面でのバックアップが県をあげて進められました。
知事、市長、商工会、PTA等々が名を県民の会に連ねていますが、
かといってこの映画は、過去に教育作品的に製作を進めるばかりに
映画としての見世物的面白さやぬくもりを置き去りにされた様な作品とは違います。
かといってこの映画は、過去に教育作品的に製作を進めるばかりに
映画としての見世物的面白さやぬくもりを置き去りにされた様な作品とは違います。
もちろん、飽食の現代を食糧難の時代から見つめなおす、
自己啓発を促すという狙いも当然あるでしょう。
しかし、それ以前に現実は緊張感を伴って、夢はファンタジックに包み込み、
そして観客と映画が実感を持って共有できる、"映画"なのです。
さて、試写会では村井県知事を筆頭に県民の会、製作委員会の方々、
そして近藤明男監督と主演の吉井一肇君、いしだあゆみさん、
我がみやぎ夢大使の林隆三さんがかけつけて舞台挨拶が開かれました。
そして近藤明男監督と主演の吉井一肇君、いしだあゆみさん、
我がみやぎ夢大使の林隆三さんがかけつけて舞台挨拶が開かれました。
(…トイレ近くで知事とすれ違ってしまった。さすがに緊張です。)
吉井君が登場すると客席から「かわいい~」と歓声があがります。
既に県内各所でトークイベントが行われており、
僕も富谷町で行われた際にご尊顔を拝見しておりますが、
その天使の佇まいは人々を瞬く間に魅了していく力を持っています。
そして、いよいよ、映画の上映。
皆さんそれぞれの想いを胸に時に笑い、時に涙して見つめます。
この映画には県内から多数のエキストラが参加しましたが、
普通、エキストラというのは「宮城県仙台市の皆さん」という様に
何人何百人参加しようとクレジットはひとくくりにされるものですが、
この映画は「一人一人の名前」がはっきりと刻まれています。
会場にはエキストラとして参加した観客が数多く来場しており、
それゆえに、黒い画面にエキストラの名前が流れてくると、
そこに自分の名前を見つけたどよめきがどんどん広がって行きます。
大きなスクリーンに白字で克明に刻まれた自分の名前。
それは監督よりも主演よりも本人にとって輝いて見えることでしょう。
僕も自分の名前をそこに見つけたとき、そう想いました。
それは監督よりも主演よりも本人にとって輝いて見えることでしょう。
僕も自分の名前をそこに見つけたとき、そう想いました。
あの昨年の10月の終わり頃に行われた富谷町での撮影から約4ヶ月。
こうして映画として観賞する作品の片隅に自分がいるということが、
まだ夢の続きのようであり、感慨深いものがあります。
そして、映画そのものも大変良い映画が完成していました。
この映画に参加した皆様にとって、思い出深いこととなります様に。
この映画で出てくるロケ地は皆、古い建物を使用あるいは改造しています。
そのため、仙台近辺からは遠く離れたところで行われているものが多くなっています。
しかし、この映画は近年で先行する仙台・宮城県ロケ映画のどれよりも、
宮城の人々のぬくもりに満ちているものだと思います。
現在の映画を支える中高年にとっては「ゴールデンスランバー」などの様な
都会的な映画は、仙台ロケと言われても何かやってるなあという距離感があり、
仙台・宮城での映画作りを推進すると言っても他人事の様に思われていないか。
「相棒-劇場版II-警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」についても、
ビッグタイトルが宮城県でロケが行われたのは誇らしいことに違いありませんが、
やはり主演俳優や映画のスケールの他の話題性の波にのまれ、
ロケ地が積極的にアピールされることはまれだった様に思われます。
「エクレール/お菓子放浪記」は僕の両親の幼年時代とも重なっているものであり、
両親も石巻や富谷町の風景を昔から見てきた体験から、
映画とリンクすることができる"実感"を持って楽しみにしています。
"おらほの町で作った映画"、というのはその様に、作る側の思い入れだけではなく、
見る側の思い入れもまた同様に一体感を持って重なることで育っていくのだと思う。
ロケ地として見た目の良いその土地がただ使われた、というわけではなく、
ロケ地の重ねてきた歴史と人々の想いをも刻むことに成功した、
それが、ロケ地の人間から見た「エクレール/お菓子放浪記」であり、
これまでの仙台・宮城ロケの映画とは異なる点だと想うのです。
映画での地域活性化や映画文化の将来を考えることもありますが、
何より、僕らが生んだこの"わが子"を、皆で大事にしていきましょう。
■過去ログ 「エクレール/お菓子放浪記」富谷町トークイベント
http://crystallog.asablo.jp/blog/2010/10/10/5397373
■過去ログ 「エクレール/お菓子放浪記」富谷町の撮影模様
http://crystallog.asablo.jp/blog/2010/10/29/
さて、次回は映画本編について触れましょう!
なんだかお菓子が食べたくなってきました。

コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://crystallog.asablo.jp/blog/2011/02/28/5713707/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。