「海賊戦隊ゴーカイジャー」 ~ 今こそ昭和特撮を見よう2011年02月22日 23時45分24秒

先日、スーパー戦隊シリーズ最新作の「海賊戦隊ゴーカイジャー」の第2話が放送。
放送前から様々な方面で話題沸騰だったこの作品も徐々にベールを脱ぎ始めました。

海賊戦隊ゴーカイジャー主題歌
海賊戦隊ゴーカイジャー主題歌

■テレビ朝日の公式サイト
 http://www.tv-asahi.co.jp/go-kai/

折りよく「パイレーツ・オブ・カリビアン」の続編「生命の泉」の公開も初夏に迫る、
(「パイレーツ・オブ・カリビアン」のさらに続編も決まっているとかないとか。)
今回のモチーフは「ワンピース」などで人気の海賊。

アクションスタイルにも「パイレーツ・オブ・カリビアン」を思わせるものが
随所に見受けられる荒々しいものになっています。
普通、銃器というのは立ち止まって撃つ、あるいは走り抜けながら撃つ、
というのが実用はともかくアクション映画・ドラマの中での常道。

これに対して、"海賊撃ち"というかは知りませんが、
ゴーカイジャーの撃ち方はゆっくりまっすぐ敵に向って歩きながらバンバン撃つ。
ジャック・スパロウ船長が向こうからゆっくり歩いてくる様なもの。

今の人たちは海賊の画と言えば「パイレーツ・オブ・カリビアン」なのでしょうか。
僕も振り返ればファースト海賊は松本零士の「キャプテンハーロック」だったし、
ドラゴンクエストなどの中世風世界で「おれたちゃ海賊えーんやこら」
などという様なものしか触れてこなかった様に思います。
現代の新たな海賊像を刻み込むか、ゴーカージャー?


この作品の話題性はなんと言っても、主人公達ゴーカイジャーの5人が、
1975年に放送開始した「秘密戦隊ゴレンジャー」以降に登場した、
34のスーパー戦隊ヒーローに変身する能力を持っており、
毎回毎回、ゴレンジャーになったりゴセイジャーになったりすること。

今のところは戦闘中に射撃ならデカレンジャーなどと使い分けている様ですが、
今後、それぞれの戦隊の特徴を活かしたエピソード作りなど、
シナリオ面にも踏み込んでいくことを期待します。
なぜって、必然性が無い物はやがて飽きられてしまいますからね。

敵勢力にしても宇宙規模のザンギャック帝国の支配に地球を置く、
という明快な目的で、今のところは無差別的に街を破壊しているものの、
そのうち人間達をカボチャ人間にしてしまう奴だったり、
改心して理髪店で働くドライヤーだったりが登場するはず。
そんでもって眠れる巨獣の心臓をマッサージしたりとかするはず。
そんな敵勢力のクロスーバーまでやってくれると良いのですが。
「ウルトラマンメビウス」などはその辺りもカヴァーしたので。


ところで、「ゴーカイジャー」に関連して過去のロボや武器などが
続々発売されますが、何よりも実際の映像作品をこそ観賞して頂きたい。

現状は旧戦隊シリーズのDVDはまだ完全に出揃ってはおらず、
新旧交互に送り出して30作品ぐらいまでDVD化しましたが、
1987年の「光戦隊マスクマン」が現在順次リリース中、
次いで1990年の「地球戦隊ファイブマン」が今年2011年の7月から、
1988年の「超獣戦隊ライブマン」が今年の12月から、
そして1999年の「高速戦隊ターボレンジャー」が来年2011年の5月より
発売開始予定となっており、それを持って全ての作品がDVD化される。はず。

おそらくその頃には「ゴーカイジャー」の最終巻も出るのでしょうか。
そしてもしや35戦隊シリーズを全て収納した、コンプリートBOXなどという、
空前絶後のBOXが発売されてしまうなどという狂気の事態になるのでしょうか。
ああ、妄想が広がっていきます。

現在発売中のDVDはレンタル店で借りてきて観賞することは可能。
ただし、2000年以降の作品および初代のゴレンジャーなどまでは
割合簡単に見つかるものの、流石に各作品10巻ぐらいが30作品以上では、
一つの店に全て置いてあることはないので、各員努力すべし(何を?)。
「超電子バイオマン」など東映特撮BBアーカイブスで配信されているので、
これらも上手く利用しての観賞をお勧めします。


何故に昔の昭和の時代のチープな特撮を見るのか。
麗しきゴーグルピンク・桃園ミキや、この世で一番美しいへドリアン女王様、
を見るためいやいや、昭和の特撮にこそ物作りの魂が篭もっているのです。

映画でもドラマでもそうですが、特に特撮という分野は、
空想を手作りでいかにして現実の様に見せるかという創意工夫の世界。
タイツと仮面で「これはロボット」などと言い切る素晴らしきハッタリ。
それはリアル嗜好で雁字搦めになった現在では生まれない発想かも。

昔の特撮ヒーローはアクションに目をやっても現在に負けず劣らず、
いやいや現在よりもむしろかっこよく真に迫っているかもしれない。

戦隊シリーズは特に複数人が入り乱れる、同時に揃った動きをする、
ダンスや新体操、中国拳法や剣術、あるいは動物的動作などなど、
自由な発想をどんどん取り入れたアクションを意気の合った動きで
華麗にかつ迫力あるものとして魅せて行きます。

リアルなCGが無いならば鍛え上げた肉体で挑戦するしかない。
誰かが言っていた「子供たちが見てるから、嘘はつけない」と。

噴き上がる爆炎もかつては天高く盛大に打上げていました。
「バトルフィーバーJ」のOPの爆炎なんか皆見えないよ!
そんな妙に気合の入った作品は今こそ多くの人々に観賞されるべき。
昨今の映画のアクションやSFに物足りなさを感じている面々は、
日本の昭和の特撮作品を観ることで何かを見出せる。のかもしれません。

「太陽戦隊サンバルカン」の嵐山美佐にも注目ね(←やはりそこもかい)。
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