「エクレール/お菓子放浪記」~ わが子の帰還。2011年07月22日 23時25分36秒

富谷町の役場から映画「エクレール/お菓子放浪記」の
完成披露試写会招待状が届く。

■「エクレール/お菓子放浪記」
 http://www.eclair-okashi.com/

そうか、もうそんな時期、いややっとその時なのか。

長い時間だったように思う。

時間はあっという間に過ぎたが、あの2月の終わりの、
"本来ならば"という平和な時間から現在までの状況の変化を振り返れば、
ここまで来るのにはやはり長かったように思う。

この映画を見ていない人も長かったと思いますが、
2月の終わりに幸運にも観賞する機会に恵まれた自分も、
観ているだけに長い道のりだったように感じられます。

徹子の部屋にいしだあゆみさんが出演してこの映画を涙ながらに紹介したこと、
河北新報、キネマ旬報、その他媒体に震災とともに取上げられたこと、
あの震災以降、この映画がいつ宮城で公開するのか、
映画を見る余裕などないときもこの映画のことは追い続けた。

先行上映の劇場となるはずだった岡田劇場の館主・菅原さんも、
この映画を早くかけたいと強く願っている。
近藤監督もたまらず宮城県内の現地に来てしまっていたという。

上映可能な劇場は震災直後にはほとんどなかったとはいえ、
映写機やプロジェクタ等を持ち込んでの上映が出来なかったことは、
諸々の事情を想像し考えていかなければなりません。

「この映画は宮城県内全市町村での上映を目指す」

2月の終わりの試写会でそう宣言したことは記憶にあります。

その時は僕も文化施設・多目的ホールでの上映を想像していましたが、
岡田劇場さんの奮闘を目の当たりにしている現在、
そんなものがなくとも身一つ気持ち一つと機材があれば、
もっとフットワークは軽くなって行くように思えます。
こうなればぜひとも、県内全市町村での上映は達成して欲しい。

この映画は今、被災地宮城の失われた風景が焼き付けられている
ということが話題になり注目を集めることとなっていますが、
それは少々複雑な想いであり、僕としては震災が無くとも、
映画は物事を語りかけてくれていたはずだと思います。

もちろん、震災後に強い意味を持ち始めたことは僕自身も言いましたが、
「震災に関連した映画だから」観ておくというのはやはり複雑です。
良い映画だから、普遍のことだからというのが根幹にあるから、
この映画を多くの人に観て欲しい、それが真実だと今では思います。

映画、「エクレール/お菓子放浪記」。
仙台では、桜井薬局セントラルホールにて7月30日(土)より公開です。
なんと、劇場で10:20の回(初回)には舞台挨拶があります!

この映画に渾身の力を注いだ監督の近藤明男監督、
宮城のゆめ大使・一座の座長役で岡田劇場と石巻ロケにも訪れた林隆三さん、
そして主演のアキオ少年役・天使の歌声を持つ吉井一肇君、
この三人がまた仙台に映画とともに来ていただけます。

■桜井薬局セントラルホール
 http://www.sakura-centralhall.jp/

7月30日、いよいよこの映画が宮城で動く。
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