「もしドラ」 ~本屋で本を探すということ2011年04月25日 23時36分38秒

「もしドラ」のアニメを見る。
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
普段はこういうアニメを見ないけれどもつい観てしまいました。
絵のタッチは特別好みでもないけども悪いわけでもない。

■NHKアニメワールド もしドラ
 http://www9.nhk.or.jp/anime/moshidora/

"こういうアニメ"という言い方は「もしドラ」の成り立ちの関係上、
適当ではないかもしれないけれども、ただ、アニメの方の作風から受ける
第一印象は"こういうアニメ"に近いものだったと思う。
冒頭のナレーションでは「スクールウォーズ」を思い出したけども。

第一話の最初では主人公の女子高生・川島みなみが野球部のマネージャーになるので、
マネージャーについてのガイド本の様なものを探していたところ、
勘違いから運命の本「マネジメント」を手に取る経緯が語られる。

本屋で専門書棚を睨んでいるみなみが、店員に声をかけられ、
「マネージャーとかマネジメントの本が欲しいんです!」と言ったところ、
「マネジメント」という本を出され、中身を確認しない、
いわゆる「タイトル買い」をしてしまうというもの。

もちろんこの「マネジメント」という本こそ経営学者ピーター・ドラッカー著、
単なるビジネス書ではない、金儲けのための本ではないと諸々言われますが、
とにかく高校野球部などのマネージャーはどうすれば良いかと
直接書いているような本ではないわけでした。

親友の指摘を受けて間違いに気づくものの、「似たような言葉よ」とゴリ押し、
大雑把さが良い方向に働き、枕にすることなくきちんと読むのがエライと思う。
読もうと最初から思って買っても読まなくなる人もいるというのにね。


「もしドラ」の直接のお話はおいて置くとして、僕が「ふむ」と思うのは、
この「本屋で本を探している」ということについて。

僕もまだ本屋には行きますが("まだ"と思わず言ってしまう。)、
今は大抵"〇〇についての本"というキーワードがあって探すならば、
ネットでキーワードを入力して、もっと言えばAmazon.comで探す。

きょうびの女子高生がそんなときどうしてるかなど、
全く別世界で生きる僕にとっては隣の銀河の出来事ぐらい知る由もないですが、
本屋よりはネットやケータイで探す方が多いことは予想がつく。

本屋に行くだろうけども、どちらかと言えば古風な発想ではないでしょうか。
ちなみに、みなみが通うのは都立高校でネットが通らないところではないはず。

爆笑問題の太田光が、「本屋で棚を探して目的の本がないとき、
代わりに別の本と出会いその本が面白いときがある。」と言う旨の
発言をしていたことがある(これもNHKの某番組だったはず)。
その発言には「ネットにはそれが起こりにくい」というものも続く。

ピンポイント検索とキーワード検索の違いがあるものの、
みなみとマネジメントの出会いもそれに似ていないでしょうか。

みなみの性格と店員の勘違いという二つの出会いがあって運命が動き始める。
ネットで検索した自己完結型よりも歯車の動き方は大きいのではないか。
とにかく「マネジメント」に出会えば話は進んでいくのですが、
この"本屋で探す"という部分にちょっと親しみがわいてもくるのです。

原作本でも本を書店で探すという行為は書かれており、
岩崎夏海(初めて名前を聞いたとき女性と勘違いしました。)先生も、
年代のせいもあると思いますが本屋と本には親しんでいるから、
本屋で本を探すということが自然の発想になったのではないかと思う。


ところで、みなみ=野球部マネージャーと言えば、
僕らの世代の心には既に浅倉南がいるはず。
川島みなみのモデルはAKB48の峯岸みなみとしていますが、
伝説のヒロインと同じ名を冠することになったのはこれも宇宙的符合か。
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