「アンダーカバー」 ~アクションスターを分ける道 ― 2011年03月03日 23時19分10秒
シリーズVHS観賞。
前回はチャド・マックィーン主演「ハード・リベンジ」でしたが、
今回はその続編とされる「アンダーカバー」についてです。
前回はチャド・マックィーン主演「ハード・リベンジ」でしたが、
今回はその続編とされる「アンダーカバー」についてです。
原題:MARTIAL LAW 2 "UNDERCOVER"
1991年 アメリカ作品
監督:カート・アンダーソン
製作:スティーヴ・コーエン
脚本:リチャード・ブランド
ジルス・フィッツジェラルド
出演:ジェフ・ウィンコット、ビリー・ドラゴ、シンシア・ラスロック、
ポール・ヨハンソン、エヴァン・ルーリー、L・チャールズ・テイラー
1991年 アメリカ作品
監督:カート・アンダーソン
製作:スティーヴ・コーエン
脚本:リチャード・ブランド
ジルス・フィッツジェラルド
出演:ジェフ・ウィンコット、ビリー・ドラゴ、シンシア・ラスロック、
ポール・ヨハンソン、エヴァン・ルーリー、L・チャールズ・テイラー
MARTIAL LAW 2 "UNDERCOVER"
とある様に確かに前作の続編で主人公もショーン・トンプソンですが、
チャド・マックイーンはどこかに行ってしまい、
代わってジェフ・ウィンコットがトンプソン刑事役を演じます。
このジェフ・ウィンコット、実は「ハード・リベンジ」にもちょい役で出演。
とくにその時は名もなき役で注意しませんでしたが、
アンタまあ、こう見えても脱いだら凄いんです。
カンフー、空手、テコンドーにレスリングに通じる、その技と肉体は伊達じゃない!
ロングのブラックローブ(最近じゃマトリックスコートと言う方がわかりやすい)を纏い、
すっくと聳え立つ体躯が闊歩する様は、チャドの300%ほど男子力増加。
キャッチコピーは
スティーブン・セーガル、
ジャン=クロード・ヴァン・ダムを凌ぐ
凄い奴らが現れた!
(豆知識:昔はセガールはセーガルと表記されたことがあります。)
スティーブン・セーガル、
ジャン=クロード・ヴァン・ダムを凌ぐ
凄い奴らが現れた!
(豆知識:昔はセガールはセーガルと表記されたことがあります。)
そんな鳴り物入りで日本にも投下された新生ハード・リベンジ。
ナイトドラマ的空気漂う夜の街を映した前作のOPクレジットとは対照的に、
今回のOPクレジットはジェフの肉体演舞から始まる!
道場に掲げられる日本・韓国・アメリカ国旗…。
たぶん、あらゆる格闘技に精通することを示しているのでは。
ロサンゼルス北西署に教官として赴任することになったショーンは、
旧友のトニーと再会するが、後にトニーは車ごと崖から転落死する。
原因は飲酒運転とされたが、禁酒中だったことを知っていたショーンは、
納得できずに独自に調査を開始、車から発見した手がかりから、
トニーが捜査中だったナイトクラブを割り出す。
実はナイトクラブは武器と麻薬の密輸に関わっており限りなくクロだったが、
ショーンはたちまちトラブルに巻き込まれ組織に面が割れてしまう。
上司のクランツ警部には再調査の要請を却下され八方塞りのショーンは、
かつての相棒・ビリーに協力を求め、彼女に潜入捜査を依頼する。
ショーンはたちまちトラブルに巻き込まれ組織に面が割れてしまう。
上司のクランツ警部には再調査の要請を却下され八方塞りのショーンは、
かつての相棒・ビリーに協力を求め、彼女に潜入捜査を依頼する。
画面奥からこちらへ飛び出す様なカメラワークで撮られた
ジェフ・ウィンコットのアクションはパワフルで悪を挫くポリスに相応しく、
これと比較するとチャド・マックイーンのそれはストリートファイトの毛色が濃い。
ストリートファイトはそれはそれで良さがあるものですが、
ゴキゲンなビートのリズムに乗せて爆発する若者のコンプレックス衝動が
ストリートファイトの本来の魅力を引き出すものではないかと思うので、
前作はやや料理法が合致しなかった様に感じられます。
潜入捜査を行うビリー役は前作に続き、シンシア・ラスロックが続投。
こちらも自慢のマーシャルアーツを引っ下げて期待に違わぬ活躍を見せます。
見事に悪を撃退したショーンとビリーは真の黒幕の下へ向いますが、
二人が踏み込む前に黒幕は自らこめかみに銃口をあて、
銃声とともにエンドクレジット、というなかなか鋭い演出で幕を閉じる。
「ハード・リベンジ」の正直たまったもやもやを見事に粉砕。
明らかに前作とは違う方向で勝負し、格闘をもっと前面にという気概を感じました。
ジェフ・ウィンコット&カート・アンダーソン監督のタッグで作られた本作は、
概ね好評だったのか、この後年に続く作品についても
「アンダーカバー/炎の復讐」(92)、「アンダーカバー/マーシャルコップ」(93)と、
アンダーカバー・シリーズの様に邦題が冠されています。
概ね好評だったのか、この後年に続く作品についても
「アンダーカバー/炎の復讐」(92)、「アンダーカバー/マーシャルコップ」(93)と、
アンダーカバー・シリーズの様に邦題が冠されています。
ジェフは、前作のチャド・マックィーンにはなかったユーモアセンスも垣間見せ、
同じ役を前作よりも見事にかっこよく生まれ変わらせて演じたと思うのですが、
その後もアクションやミステリー、SFにコンスタントに出演したものの、
残念ながら、セガールにもヴァン・ダムにも届かなかった・・・。
あらゆる意味でカリスマを持つアクションスターと言えば、
シュワルツェネッガ―、スタローン、ブルース・ウィリス、
セガール、ヴァンダム、ジェット・リー、ジャッキー、
あるいは、チャック・ノリス、ウェズリー・スナイプス…。
ジェイソン・ステイサムだったりするのかもしれない。
シュワルツェネッガ―、スタローン、ブルース・ウィリス、
セガール、ヴァンダム、ジェット・リー、ジャッキー、
あるいは、チャック・ノリス、ウェズリー・スナイプス…。
ジェイソン・ステイサムだったりするのかもしれない。
ここにあげた一部のアクションスター以外にも、
多くのスターがいて、それぞれ生傷を作り勲章を刻んでいる。
しかし、ビデオストレートだろうと一時代を作り上げるスターと、
ちょくちょく出てはいるもののあるレベルでうろうろしている俳優と、
何がどう違っているのでしょうか。
アクションに関しては、僕は出演作以外の公私の中のユーモア性や、
良いことでも痛い思い出でも伝説や逸話を持っていることだと思う。
シュワちゃんはコメディの資質もしっかり持ち合わせていたし、
ウィリスは元々コメディアンだったし元嫁でしっかり勲章を作った。
スタローンは彼の人生そのものが喜劇と悲劇に満ちていた。
ウィリスは元々コメディアンだったし元嫁でしっかり勲章を作った。
スタローンは彼の人生そのものが喜劇と悲劇に満ちていた。
セガールもヴァンダムも独特のキャラクターが一人歩きして
ファンの間でイメージや妄想がもくもくと膨らんでいく。
チャック・ノリスまで行けば嘘が真にすらなってしまう。
ファンの間でイメージや妄想がもくもくと膨らんでいく。
チャック・ノリスまで行けば嘘が真にすらなってしまう。
ではストイックに生きている者に太陽は微笑まないのか。
そんなことはない。しかし、真剣一本で伝説になるのは生き方のレベルが違う。
生き方そのものから生まれた武勇伝や都市伝説が語り草にならないといけない。
そこにファンは憧れ、スターそのものを追いかける様になっていく。
良いアクションを見せることはもちろん重要です。
しかし、作品は本来、良い物が見られて当たり前であるはず。
そこから俳優にファンが付き長く慕われるという先に行くには、
やはり俳優本人にプラスアルファの何かが必要なのではないでしょうか。
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